大好きなお姉さまが悪役令嬢?!処刑回避のためにひきこもったら、隣国の王子に狙われているようです?
 外から扉が開かれ、先にコンスタッドとシオンが降りた。あたたかな風が背を押し、フェルトンの街のざわめきが響いてくる。
 セシリアが降りようとすると、コンスタッドが力強く抱き上げた。
「うわぁっ」
 急に視界が高くなったセシリアは驚きと感嘆の混じった声をあげたが、シオンが不機嫌そうに不貞腐れている。地面が足についたときはシオンが「ほら」と手を差し出してきた。
「セシリアはすぐに転ぶからな」
 それは朝の散歩のことを言っているのだろう。反論できないセシリアは渋々とその手を握るものの、彼と手を繋ぐのは嫌いではない。
 エレノアもコンスタッドのエスコートを受けて優雅に馬車を降りた。
「おい、シオン。君は私の従者だからね。セシリア嬢のことは、きちんとセシリア様と呼ぶように」
 そういえば、そんな設定であったことをセシリアは思い出した。シオンは身分を隠してアッシュクロフ王国に来ているのだ。
「セシリア嬢もシオンを従者として扱うように。彼がロックウェルの王子だと知られると、いろいろと面倒だからね」
「わかりました……え、と。シオン、よろしくね?」
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