大好きなお姉さまが悪役令嬢?!処刑回避のためにひきこもったら、隣国の王子に狙われているようです?
 馬車に向かう途中、地面がふわふわと揺れているような感覚に襲われた。シオンがすかさずセシリアの手をぎゅっと握り、転ばないように支えてくれる。
「おい、セシリア!」
 工場のほうから元気な声が響いてきた。
「なんだよ、もう帰るのか! みんなと一緒におやつでも食べてけよ。みんな、セシリアに会いたがってるんだから」
 ずかずかと歩いてきたのはマイクだった。その後ろをキャシーが慌てて追いかけてくる。そして、マイクの頭をぽかっと叩いた。いつもの見慣れた光景だ。
「セシリア様、今日もマイクが失礼な態度を……申し訳ございません」
「あ、はい……」
 エレノアの話に衝撃を受けたセシリアは、上の空で応じる。
「おい、セシリア。元気がないな。どうしたんだ?」
 そう言いながら、マイクの視線はセシリアとシオンの繋いだ手に注がれている。
「こいつ、誰だ?」
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