大好きなお姉さまが悪役令嬢?!処刑回避のためにひきこもったら、隣国の王子に狙われているようです?
「あ、モリスにお願いしたいことがあったんです」
 少しだけ重々しい空気になった室内を、セシリアの明るい声が吹き飛ばす。
「お姉さまとお話をしていたんですけれど、やわらかい砂糖を作ってみたいんです」
 つい先日、話題にあがったやわらかい砂糖。つまり『わたあめ』だ。
「へぇ? やわらかい砂糖ね。面白そうじゃないか」
 今までその話をしなかったのは、やはりコンスタッドとシオンがいたからだ。あの二人に、セシリアの謎の記憶を知られてはならない。むしろ未来視や過去視といった名前の記憶。
「それで、どうしたら砂糖はやわらかくなるんだい?」
 モリスのことだから興味を示すだろうなと思ったら、案の定。
 セシリアはエレノアと顔を見合わせ、頷き合う。
「砂糖に熱を加えて、一度、溶かします。そして冷えて固まるときに、糸のようにすれば、こう、ふわふわっと、なるかなって」
< 216 / 231 >

この作品をシェア

pagetop