大好きなお姉さまが悪役令嬢?!処刑回避のためにひきこもったら、隣国の王子に狙われているようです?
 エレノアが琥珀色の瞳を大きくして、セシリアをじっと見つめてくる。だからエレノアも姉に顔を向けた。
「お姉さま。陛下は認めたくないのですよ。お姉さまと王太子殿下の婚約解消を。だから、こんな安っぽい慰謝料と手のかかる場所を提示してきたのです」
「……つまり、エレノアにはまだ希望があるということだな? ジェラルド殿下とやり直せるかもしれない」
 父親の言葉に、「いいえ」とセシリアは力強く首を横に振った。勿忘草の髪も、一緒に揺れ動く。
「お父さま。昨日の殿下の様子を思い出してください。殿下の隣には誰がおりましたか?」
 セシリアの言葉に、三人は黙り込む。
「本来であれば、あの場所にはお姉さまがいるべきでした。それなのに、なぜかイライザさまがいらっしゃいました。それにイライザさまが着ていたドレス……あれは、殿下の瞳と同じ色のドレスです」
 たたみかけるセシリアの言葉に、三人は大きく頷く。
「お姉さまは、まだ殿下のことが好きなのですか?」
「え?」
 セシリアの問いにエレノアは顔をあげて、はっとした様子。
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