大好きなお姉さまが悪役令嬢?!処刑回避のためにひきこもったら、隣国の王子に狙われているようです?
 あのような場で婚約破棄宣言を一方的にしたのはジェラルドである。特にその理由の説明もなかった。いや、あの後くどくどと理由を並べ立てエレノアを悪役に仕立て上げる予定だったのだ。
 そうなる前にセシリアがエレノアに帰ろうと言ってしまったことで、ジェラルドがエレノアに婚約破棄を言い出した理由が明確になっていない。もしかしたら、エレノアのいない場で言い訳でもするかのように、あの場に残った者たちに訴えたのかもしれないが。
「それにもう一つ。慰謝料として国預かりの領地もという話だが、このリストを見てくれ」
 父の言葉にエレノアが身を乗り出したところで、セシリアも真似をした。
「この場所……」
「さすがエレノアだな。ここにある土地は、国としてもたいした収入にならず、手を焼いている場所だ。そのような場所を我々に授けると……」
 忌々しげに顔を歪ませている。
「つまり陛下は、お姉さまが王太子殿下と婚約解消をされては、困るということですよね?」
 セシリアが明るい口調で言うと、三人から視線が集まった。
「セシリア?」
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