大好きなお姉さまが悪役令嬢?!処刑回避のためにひきこもったら、隣国の王子に狙われているようです?
 エレノアの呟きを拾った母親が、先を奪う。
「風だけではないわね。水の精霊もいるわよ」
 そこでセシリアにもピンとくるものがあった。
 ケアード公爵領と馬車で二時間の距離にあるフェルトンの街。それしか離れていないというのに、フェルトンの街にはさとうきびがありケアード公爵領にはない。
 山を挟んだ二つの場所だが、気候はさほど違いはない。ただ、フェルトンの街のほうがあたたかい感じはする。
 もしかしたら沖縄の気候に近いのかもしれない。ケアード公爵領が温帯だとしたらフェルトンの街は亜熱帯。山一つ隔てただけでそれほど気候が変わるのかと疑いたくなるが、風や水の精霊がいるとなれば、自然環境なんてどうとでもなるのだ。つまり東京の隣に沖縄があるような感じであっても、精霊の力でそれは可能となる。
 例えそれが作者都合だと言われようが、セシリアにとっては理由などどうでもいい。今、ここにさとうきびが存在していることが重要である。
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