大好きなお姉さまが悪役令嬢?!処刑回避のためにひきこもったら、隣国の王子に狙われているようです?
 先ほどの女性がお茶とお菓子をテーブルの上に並べていく。
「本日はご足労いただきまして、ありがとうございます。私がこの街の商会長を務めております、ボリス・アグルルと申します」
 ボリスは一貫して低姿勢な男である。年齢は四十代後半くらいで、中肉中背。苦労しているせいか、頭髪が寂しいのが気になった。
 だが初めて会ったボリスであるのに、セシリアは既視感を覚えた。
(この人は、まさしく中間管理職……。上と下に挟まれて、いい感じに疲弊するポジション。きっと今まで、街の人と代表の板挟みになっていたのだわ……)
 ボリスがひととおり自己紹介を終えたところで、次はケアード公爵の番である。
「このたび、私がフェルトンの街の代表となったオリバー・ケアード。そして妻のシンシア、娘のエレノアとセシリアだ」
 父親の言葉に合わせて、セシリアもペコッと頭を下げた。
「早速だが……」
 いつもはセシリアにやさしい口調で語りかける父親が、こうやってきびきびと話すのが新鮮だった。
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