大好きなお姉さまが悪役令嬢?!処刑回避のためにひきこもったら、隣国の王子に狙われているようです?
 二階の廊下も同じようにクリーム色で統一されており、等間隔に茶色の扉が並んでいた。一番奥の扉の前で立ち止まる。
「領主様がおいでになりました」
 ノックと共に彼女がそう告げ、扉を開ける。
 なんの変哲もない部屋だ。華美でもない、粗末でもない。むしろ質素な執務室。
「お待ちしておりました、領主様」
 腰の低い男がぺこぺこと頭を下げ、ケアード公爵一家を出迎える。
「どうぞ、こちらに」
 長椅子にうながされてみたものの、ケアード公爵側は四人とケビン。ケビンはすぐさま部屋の隅に移動して直立するが、示された正面の長椅子は三人がけのもの。
「お嬢様方はどうぞこちらに」
 エレノアとセシリアは隣に並べてあった二人がけの長椅子を案内された。
 しかしエレノアは父親と並んで商会長の正面に座り、セシリアは母親と一緒にちょこんと座る。この組み合わせに商会長も驚きを隠せない様子。
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