大好きなお姉さまが悪役令嬢?!処刑回避のためにひきこもったら、隣国の王子に狙われているようです?
「せ、セシリア!」
 失礼なことを言わないの。
 エレノアの心の声が聞こえるほどの表情だった。
「申し訳ありません。この街のお茶なのですが、やはりこ……若い方には苦いですよね。お茶というよりは、豆を煎って砕いたものに湯を注いだものでして……」
 ボリスが子どもと言いかけて、若い方と言い直したのは変な顔のエレノアが視界に入ったからだろう。セシリアだけだったら子どもと言っていたはずだ。
「会長さん、牛乳はありますか?」
 セシリアが尋ねると、ボリスは目を大きく見開いてから「ありますよ」と笑みを浮かべる。
「やはり、苦いお茶よりはホットミルクのほうがよろしかったですね。気が回らずに申し訳ありません」
「冷たい牛乳で大丈夫です」
 セシリアたちを案内してくれたあの女性が、グラスに入った牛乳を二つ用意してくれた。
 ちなみにエレノアは牛乳が苦手である。なぜかセシリアを軽く睨みつけてきた。
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