大好きなお姉さまが悪役令嬢?!処刑回避のためにひきこもったら、隣国の王子に狙われているようです?
「牛乳をこの苦いお茶にいれます。それから、さとうきびをください」
 少しだけお茶を飲んでしまったから、カップには六分目ほどのお茶が残っている。そこに牛乳を注いだ。
 さとうきびはエレノアが手渡してくれたので、それをカップの上にかかげる。
「精霊さん、精霊さん。さとうきびをぎゅっとしぼってくださいな」
 魔法は精霊の気まぐれ。そしてセシリアはまだ特定の精霊と契約をしていない。そして生活魔法はその辺にいる精霊の力を借りるとされている。
 特定の精霊と契約している両親やエレノアは指パッチンで周辺の精霊に指示を出すことができるが、幼いセシリアはこうやって言葉にしないと精霊に伝わらない。つまり詠唱を必要とする。これで魔法が使えなければ、周囲にいる精霊が反応しなかった、もしくは無視をしたということになり、魔力の弱い者は無視されることが多い。
 ぽた、ぽた、とさとうきびから液体がこぼれ、カップの中に落ちた。ほどよく入ったところで「おしまい」と言う。
 セシリアは、苦いお茶と牛乳とさとうきびの汁の入った謎の飲み物を作り上げた。
「なに、それ……」
 エレノアが心配そうに見つめてくる。
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