【完結】年の差十五の旦那様Ⅲ~義妹に婚約者を奪われ、冷酷な辺境伯の元に追いやられましたが、毎日幸せです!~
第30話 過去は変わらない、変えようとも思わない
 ゆっくりと目を開く。ずきずきと痛む頭を押さえていれば、上から「起きた?」という声が聞こえてきた。

 それは見知らぬ女性の声で、私ははっとして身体を起こす。けど、ひどい貧血のときのようにふらついた。

「ダメよ。そんな勢いよく立ち上がっては。……あなたの中に魔力がないんだから」

 その言葉に反応するように、彼女の顔を見つめる。……眉をひそめてしまう。

「……あの」

 女性は、さらさらとした桃色の髪を持っていた。その目は茶色。形は少し吊り上がった感じ。

 そして、なによりも。私を見下ろす彼女の顔は――どこか、私と似ていた。

「戸惑っているの? 可愛いわね。……私の孫は」
「……は?」

 自然と間抜けな声が漏れる。

 このお人、今、なんと言った?

 聞き間違いじゃなければ、孫って……。

「嘘は言っていないわ。あなたは私の孫」

 見た感じ、だけれど。彼女は若々しい。孫がいる年齢には思えない。

 そう思いつつ眉をひそめていれば、彼女がころころと笑う。無邪気な笑み。なのに、何処か底知れない雰囲気。
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