セカンドマリッジ ~病室で目覚めたら、夫と名乗るイケメン社長との激甘夫婦生活が始まりました~
「うーん、直近一年の記憶が抜けているのかもしれませんね。あるいは特定のことに関するものだけ失われてしまったか」
医師の言葉にドキリとする。
「特定のこと……」
そうこぼしながら、ちらと横にいる悟を見やる。この人に関することだけ忘れているかもしれないということだろう。
それはあまりに残酷だ。志歩にとっても、悟にとっても。
場に少し暗い空気が流れるが、医師の明るい声がそれをかき消す。
「まあ、いずれにせよ、今は意識が戻ったばかりで記憶が混濁している可能性が高い。時間の経過と共に思い出していく場合が多いですから、焦らずに向き合っていきましょう」
志歩も悟もしっかりと頷きながら、「よろしくお願いします」と返した。
病室に戻る直前、悟にそっと声をかけられる。
「志歩さん。また様子を見に来てもいいかな?」
記憶にない夫とどう向き合えばいいのかはまだわからない。それでも志歩を気にかけてくれる彼の優しい気持ちはとても嬉しかった。
当然、志歩に断る理由などあるはずもない。
「……はい。よろしくお願いします」
もっと妻らしく自然な返しができればいいのだろうが、これが今の志歩に言える精一杯の言葉だった。
医師の言葉にドキリとする。
「特定のこと……」
そうこぼしながら、ちらと横にいる悟を見やる。この人に関することだけ忘れているかもしれないということだろう。
それはあまりに残酷だ。志歩にとっても、悟にとっても。
場に少し暗い空気が流れるが、医師の明るい声がそれをかき消す。
「まあ、いずれにせよ、今は意識が戻ったばかりで記憶が混濁している可能性が高い。時間の経過と共に思い出していく場合が多いですから、焦らずに向き合っていきましょう」
志歩も悟もしっかりと頷きながら、「よろしくお願いします」と返した。
病室に戻る直前、悟にそっと声をかけられる。
「志歩さん。また様子を見に来てもいいかな?」
記憶にない夫とどう向き合えばいいのかはまだわからない。それでも志歩を気にかけてくれる彼の優しい気持ちはとても嬉しかった。
当然、志歩に断る理由などあるはずもない。
「……はい。よろしくお願いします」
もっと妻らしく自然な返しができればいいのだろうが、これが今の志歩に言える精一杯の言葉だった。