セカンドマリッジ ~病室で目覚めたら、夫と名乗るイケメン社長との激甘夫婦生活が始まりました~
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 少しの物音もしない家の中に、悟が歩く音だけが響く。玄関からリビングまで向かう間に必要な照明を点けていくが、そんなことにでさえ、一人であることを実感して寂しさが募る。

 志歩がいた頃は、この家はとても明るかった。いつも笑顔で「おかえり」と迎えてくれていた。そのささやかなやり取りにどれほど癒されていたことか。一人に戻った今、それを痛いほど実感している。

 今日も志歩からの連絡はなく、やるせない気持ちを抱えた悟は、疲れた体を重力に任せてソファーへと沈める。心も体もズンと重い。

 志歩を諦めるつもりは毛頭ないが、ここまで拒絶されるとさすがにつらい。そんなにも悩ませているのかと思うととても切なくなる。ただただ志歩を大切に思っているだけなのに、上手くいかない現状に、歯がゆさばかり覚えている。
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