セカンドマリッジ ~病室で目覚めたら、夫と名乗るイケメン社長との激甘夫婦生活が始まりました~
「仮に八重沢のためという大義名分があったとして、それで何もかもが許されるわけではないのよ。そして、あなたは許されないことをした。金輪際、清塚にも、志歩さんにも関わることは許しません」

 恵美理はもはや何も言い返せないようで、床に座ったまま、両手で顔を覆い、肩を震わせている。

「立ちなさい。これ以上迷惑をかけるな」

 恵美理の父は彼女を無理やり立たせると、こちらへ向き直る。

「清塚会長、悟くん、そして、志歩さん。うちの愚女が本当に申し訳ないことをした。二度と悟くんにも志歩さんにも近づけさせないと約束します」

 彼は深々と頭を下げると、恵美理を連れ、この場を去っていった。

 怒涛の展開で思考が追いつかない。一人呆然とする志歩の横で、久枝が悟に厳しい表情を向けている。

「悟、いつも言っているでしょう。対話が大切だと。ちゃんと志歩さんと話をなさい。今すぐですよ」
「はい。心得ています」

 悟は久枝に返事をすると、志歩に優しく話しかけてくる。

「志歩さん。今から二人で話がしたい。ただ、ここだと落ち着いて話せないから、また移動してもいいかな?」

 話が必要なことは志歩もよくわかっている。黙って頷けば、悟も久枝も優しい微笑みを向けてくれた。
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