セカンドマリッジ ~病室で目覚めたら、夫と名乗るイケメン社長との激甘夫婦生活が始まりました~
「やっぱりすごいですね。あと四年で自分が悟さんのように立派なことをやれるとはまったく思えません」
「そんなことはないよ。志歩さんの仕事はとても尊くて立派なものだと思うよ。それに僕の場合は、親の七光りという面もあるからね」
「七光り、ですか?」
コネで入ったということだろうかと首を傾げれば、悟は何かを思い出したように一つ大きく頷く。
「あ、そうか。志歩さんは知らなかったよね。プルモンドは清塚グループの系列なんだよ」
「清塚グループ……? っ、清塚……もしかしてあの清塚グループ?」
清塚グループと聞いて思いつくのは一つ。数々の大手企業をその傘下に持つ旧財閥系グループだ。清塚商事や清塚銀行など、清塚の名を冠した有名企業が数多く存在している。
あまりに雲の上の存在であるその名に志歩は恐れおののく。
「たぶん、志歩さんが今想像しているもので合っていると思うよ」
「じゃあ、悟さんは……?」
名字が清塚であることを考えれば、自然とその答えが出るが、どうしても問わずにはいられなかった。
「跡取りと言ったところかな。今は父が当主を務めいているよ」
「っ……そんなにすごい人が、どうして、私なんかと……?」
どう考えても志歩とは住む世界の違う人だ。志歩が悟と結婚するメリットはあっても、悟が志歩と結婚するメリットはないように思える。
今日一番の戸惑いを覚えながら問いかければ、悟はなぜか悲しそうな表情を浮かべる。
「志歩さん。私『なんか』と言わないで。あなたは僕の大切な人なんだから」
悟の言葉にハッとする。
「あっ……ごめんなさい。確かに今の言い方はよくありませんでした」
住む世界が違うとは思っても、自分を卑下するのはよくなかった。志歩は志歩で、自分の人生に誇りを持っている。己のことだからと軽んじていいわけではない。
「ふふっ、志歩さんのそういうところ本当にいいよね」
悟の瞳に少しの甘さが宿って、志歩は途端に照れくさくなった。
その照れくささを誤魔化すように、別の言い方で同じ質問を投げかける。
「そんなことはないよ。志歩さんの仕事はとても尊くて立派なものだと思うよ。それに僕の場合は、親の七光りという面もあるからね」
「七光り、ですか?」
コネで入ったということだろうかと首を傾げれば、悟は何かを思い出したように一つ大きく頷く。
「あ、そうか。志歩さんは知らなかったよね。プルモンドは清塚グループの系列なんだよ」
「清塚グループ……? っ、清塚……もしかしてあの清塚グループ?」
清塚グループと聞いて思いつくのは一つ。数々の大手企業をその傘下に持つ旧財閥系グループだ。清塚商事や清塚銀行など、清塚の名を冠した有名企業が数多く存在している。
あまりに雲の上の存在であるその名に志歩は恐れおののく。
「たぶん、志歩さんが今想像しているもので合っていると思うよ」
「じゃあ、悟さんは……?」
名字が清塚であることを考えれば、自然とその答えが出るが、どうしても問わずにはいられなかった。
「跡取りと言ったところかな。今は父が当主を務めいているよ」
「っ……そんなにすごい人が、どうして、私なんかと……?」
どう考えても志歩とは住む世界の違う人だ。志歩が悟と結婚するメリットはあっても、悟が志歩と結婚するメリットはないように思える。
今日一番の戸惑いを覚えながら問いかければ、悟はなぜか悲しそうな表情を浮かべる。
「志歩さん。私『なんか』と言わないで。あなたは僕の大切な人なんだから」
悟の言葉にハッとする。
「あっ……ごめんなさい。確かに今の言い方はよくありませんでした」
住む世界が違うとは思っても、自分を卑下するのはよくなかった。志歩は志歩で、自分の人生に誇りを持っている。己のことだからと軽んじていいわけではない。
「ふふっ、志歩さんのそういうところ本当にいいよね」
悟の瞳に少しの甘さが宿って、志歩は途端に照れくさくなった。
その照れくささを誤魔化すように、別の言い方で同じ質問を投げかける。