セカンドマリッジ ~病室で目覚めたら、夫と名乗るイケメン社長との激甘夫婦生活が始まりました~
 エレベーターを降りると、明らかに数戸しかない最上階フロアの廊下を悟について歩く。

 悟は一番奥のドアの前で立ち止まり、そのドアを開けて志歩を中へと促してくれた。

「入って」
「お邪魔します」

 誰もいないだろうが、遠慮気味にそうつぶやいてから足を踏み入れる。

 そんな志歩に続き、悟もすぐに中へと入り、玄関ドアを閉めた。

「志歩さん」
「はい?」
「ここは志歩さんの家だよ」

 その言葉で、自分が台詞を間違えていたのだと気づく。

「あ……えっと、ただいま?」
「おかえり」

 悟に優しく言われれば、志歩の胸は途端にぽっと温かくなる。

 場違いだという感覚が大きいものの、悟のおかげでほんの少しだけ我が家に帰って来たような気持ちになれた。
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