セカンドマリッジ ～病室で目覚めたら、夫と名乗るイケメン社長との激甘夫婦生活が始まりました～

　それからしばらくの間は病室に一人となり、志歩は自然とこうなった原因である俊也とのことを思い出していた。

　俊也とは高校二年生のときから付き合い始め、もう十年以上続く仲。結婚の話も出ていたというのに、あんなひどい裏切りに遭うとは考えてもみなかった。

　俳優になるという彼の夢を、志歩はずっとそばで応援してきたのだ。ようやく芽が出始めた彼のことを、これからも一番近い場所で応援していくのだと信じて疑わなかったのに、どうしてほかの人が彼のそばにいるのか。

　志歩は強い胸の痛みを覚えて涙を滲ませる。

　この先に俊也との明るい未来が待っているとは到底思えず、志歩はただただ深い悲しみに浸るほかなかった。