セカンドマリッジ ~病室で目覚めたら、夫と名乗るイケメン社長との激甘夫婦生活が始まりました~
「無理……私、もう結婚してるから。俊也のところには二度と戻らない。俊也はもう私の人生に必要じゃない」
精一杯の拒絶の言葉を返す。
本当はお前なんか嫌いだと言ってやりたかった。欠片も好意などない、憎しみしかないと言いたかった。
けれど、俊也と過ごした時間はあまりに長くて、過去のいい思い出が多すぎて、それが邪魔をする。
悟に強く惹かれている今、もっとはっきりと拒絶するべきだとわかっていたのに、志歩の口は思うようには動いてくれなかった。
それが悔しくて、志歩は強く唇を噛む。
できることなら、これでもかと悟への愛を語って、微塵も未練はないと示したい。けれど、それをするには今の悟との関係ではまだ足りないのだ。
あまりのもどかしさに口をつぐんでいる志歩の肩を、俊也が痛みを覚えるくらい強い力でガシリとつかんでくる。
「は? 結婚ってなんだよ。お前、俺を裏切ったのか? ああ!?」
「っ!?」
近距離で怒鳴られ、思わずびくりと体を震わせる。ひどく理不尽なことを言われているとわかってはいるが、恐怖で反論できない。俊也の手を払うこともできない。
身がすくんで少しも動けないでいる志歩を、転んでいたはずの加奈が俊也から離してくれた。その身で守るように包み込んでくれる。
「どの口が言うのよ。裏切ったのはあなたでしょう。志歩のこと、散々傷つけたくせに。さっさと消えて。じゃないと大声出すわよ」
加奈と俊也が睨み合っている。
俊也は表情を歪めながらも去ろうとしない。しかし、加奈がスーッと深く息を吸う動作をすれば、観念して後ずさりを始めた。
「ちっ。絶対に連れ戻すからな」
そんな捨て台詞を残し、俊也は去っていった。
志歩は安堵からその場に崩れ落ちる。
「っ……ごめん。ごめん、加奈」
「私はいいから。大丈夫だよ。もういなくなったから、大丈夫」
志歩を落ち着かせるように加奈が優しく背を撫でてくれる。そのおかげで少しずつ恐怖が和らいでいく。
加奈を巻き込んでしまったことが申し訳なくてたまらないが、今ほど彼女がそばにいてくれてありがたいと思ったことはない。
志歩は優しい友人に何度も「ごめん」と「ありがとう」を繰り返していた。
精一杯の拒絶の言葉を返す。
本当はお前なんか嫌いだと言ってやりたかった。欠片も好意などない、憎しみしかないと言いたかった。
けれど、俊也と過ごした時間はあまりに長くて、過去のいい思い出が多すぎて、それが邪魔をする。
悟に強く惹かれている今、もっとはっきりと拒絶するべきだとわかっていたのに、志歩の口は思うようには動いてくれなかった。
それが悔しくて、志歩は強く唇を噛む。
できることなら、これでもかと悟への愛を語って、微塵も未練はないと示したい。けれど、それをするには今の悟との関係ではまだ足りないのだ。
あまりのもどかしさに口をつぐんでいる志歩の肩を、俊也が痛みを覚えるくらい強い力でガシリとつかんでくる。
「は? 結婚ってなんだよ。お前、俺を裏切ったのか? ああ!?」
「っ!?」
近距離で怒鳴られ、思わずびくりと体を震わせる。ひどく理不尽なことを言われているとわかってはいるが、恐怖で反論できない。俊也の手を払うこともできない。
身がすくんで少しも動けないでいる志歩を、転んでいたはずの加奈が俊也から離してくれた。その身で守るように包み込んでくれる。
「どの口が言うのよ。裏切ったのはあなたでしょう。志歩のこと、散々傷つけたくせに。さっさと消えて。じゃないと大声出すわよ」
加奈と俊也が睨み合っている。
俊也は表情を歪めながらも去ろうとしない。しかし、加奈がスーッと深く息を吸う動作をすれば、観念して後ずさりを始めた。
「ちっ。絶対に連れ戻すからな」
そんな捨て台詞を残し、俊也は去っていった。
志歩は安堵からその場に崩れ落ちる。
「っ……ごめん。ごめん、加奈」
「私はいいから。大丈夫だよ。もういなくなったから、大丈夫」
志歩を落ち着かせるように加奈が優しく背を撫でてくれる。そのおかげで少しずつ恐怖が和らいでいく。
加奈を巻き込んでしまったことが申し訳なくてたまらないが、今ほど彼女がそばにいてくれてありがたいと思ったことはない。
志歩は優しい友人に何度も「ごめん」と「ありがとう」を繰り返していた。