セカンドマリッジ ~病室で目覚めたら、夫と名乗るイケメン社長との激甘夫婦生活が始まりました~
「……今日、彼に会いました」
「彼? ……っ、元カレのこと?」
小さくこくりと頷けば、悟がわずかに息を呑んだのが伝わってきた。
「……何かひどいことをされた?」
それはないと大きく首を横に振る。強く握られた手首は痛かったが、痕が残るほどではない。
「同僚が助けてくれたから、大丈夫です」
「じゃあ、何か言われた?」
俊也に言われたことを思い返し、また胸が痛む。口にしようとするとなぜかとても悲しくて、ぽとぽとと瞳から雫がこぼれ落ちていった。
「……一緒に来いと……結婚するから来いと言われて」
「今さら虫のいいことを……」
悟にしては珍しく不快感をあらわにした表情に、罪悪感が募る。悟に対して不誠実なことをしてしまっていると申し訳なくなる。
「ごめんなさい」
「なんで志歩さんが謝るの? 志歩さんは何も悪くないよ。悪いのは彼だけだ」
確かに志歩と俊也の間で考えれば、悪いことをしたのは俊也だけだろう。志歩は何もしていない。
けれど、悟に対してはそうとは言えない。志歩の心は、悟の気持ちを裏切るような感情を抱いてしまった。それがとても心苦しい。
「違う。違うんですっ……私っ、彼を見た瞬間、苦しくなってしまって……悟さんと過ごして、もう彼のことは忘れられたと思っていたのに、胸が痛くて……」
「志歩さん……」
「結婚してるから行かないって、二度と戻らないって言ったけど、嫌いだって言えなかった……ごめんなさい」
強く突っぱねられなかった自分がどうしても許せない。少しも心乱されることなく、堂々と言い返すべきだったのに、それとはほど遠い対応しかできなかった。それが悔しくてたまらない。
これでは悟を想う資格もないように思えて苦しくなる。
「彼? ……っ、元カレのこと?」
小さくこくりと頷けば、悟がわずかに息を呑んだのが伝わってきた。
「……何かひどいことをされた?」
それはないと大きく首を横に振る。強く握られた手首は痛かったが、痕が残るほどではない。
「同僚が助けてくれたから、大丈夫です」
「じゃあ、何か言われた?」
俊也に言われたことを思い返し、また胸が痛む。口にしようとするとなぜかとても悲しくて、ぽとぽとと瞳から雫がこぼれ落ちていった。
「……一緒に来いと……結婚するから来いと言われて」
「今さら虫のいいことを……」
悟にしては珍しく不快感をあらわにした表情に、罪悪感が募る。悟に対して不誠実なことをしてしまっていると申し訳なくなる。
「ごめんなさい」
「なんで志歩さんが謝るの? 志歩さんは何も悪くないよ。悪いのは彼だけだ」
確かに志歩と俊也の間で考えれば、悪いことをしたのは俊也だけだろう。志歩は何もしていない。
けれど、悟に対してはそうとは言えない。志歩の心は、悟の気持ちを裏切るような感情を抱いてしまった。それがとても心苦しい。
「違う。違うんですっ……私っ、彼を見た瞬間、苦しくなってしまって……悟さんと過ごして、もう彼のことは忘れられたと思っていたのに、胸が痛くて……」
「志歩さん……」
「結婚してるから行かないって、二度と戻らないって言ったけど、嫌いだって言えなかった……ごめんなさい」
強く突っぱねられなかった自分がどうしても許せない。少しも心乱されることなく、堂々と言い返すべきだったのに、それとはほど遠い対応しかできなかった。それが悔しくてたまらない。
これでは悟を想う資格もないように思えて苦しくなる。