セカンドマリッジ ~病室で目覚めたら、夫と名乗るイケメン社長との激甘夫婦生活が始まりました~
徐々に涙が止まり、呼吸が落ち着き、冷静さを取り戻すと、志歩はとても居たたまれない気持ちになる。
「すみません。こんなに取り乱して」
「その言葉は禁止。志歩さんの心はいつだって自由でいいんだよ。何を思ってもいい。苦しいも、楽しいも、好きに感じていい。でもね、苦しい思いを隠すことだけはしないで。志歩さんが一人で苦しんでいると僕もつらいから。一緒に分かち合わせてほしい」
この人はどうしてこんなにも優しいのだろうか。志歩に寄り添ってくれる悟の気持ちが嬉しくてならない。けれど、まだ申し訳なさも残っている。
「ありがとうございます……でも、悟さんがいるのに、苦しくなるなんて」
そこまで口にすると、悟が志歩の目を覗き込むように見つめてくる。
「志歩さんは僕が嫌い?」
そんなことはあり得ないと強く否定する。
「嫌いじゃありません! だって、私は……悟さんのことを、もうほとんど――」
悟の人差し指に唇を押さえられ、言葉を遮られる。
「ストップ。その先はまだ言わなくていいよ。わかっているから。志歩さんに嫌われていないことも、少しずつ心の距離が近くなっていることもわかってる。その距離は、志歩さんが過去のことで泣いたとしても変わらない。僕たちは僕たちのままだよ」
ああ、悟は全部わかってくれている。そう気づけば、胸の中に残っていたわだかまりが消えていく。
俊也の存在で心が揺れ動けば、悟との関係がリセットされてしまうような気がして怖かったのだ。その不安を悟はわかっている。その上で大丈夫だと言ってくれているのだ。
わだかまりが消えた心には悟の言葉がすーっと染み込んできて、ようやく素直な言葉が表へと出てくる。
「……ありがとう。ありがとう、悟さんっ。これからも、悟さんのそばにいさせてください」
「もちろん。これからもずっと一緒にいよう。僕もそれを願っているから」
笑って頷き合えば、二人の心の距離がまた少し近づいたように感じられた。
二人の間に落ち着いた空気が戻り、そろそろ離れなければと、志歩はそっと立ち上がろうとする。けれど、すぐに悟の手に阻まれ、また彼のもとへと戻ってしまった。
先ほどの強い抱擁とは違い、優しく頭を引き寄せられる。志歩は抵抗することなく、悟の肩にこてんと頭を乗せ、甘えるように寄りかかった。
「ねえ、志歩さん」
「はい」
「さっき志歩が言おうとした言葉の続きだけど、僕はそれを無理に言わせたくないんだ。だから、志歩さんが心から言いたいと思ったときに聞かせてくれる?」
「……はい。必ず」
きっと、そう遠くない未来に志歩はその言葉を悟へと贈るだろう。
悟に心の中をすべて晒し、こうして甘えられている今、志歩の胸はどうしようもなく疼いているのだから。
「すみません。こんなに取り乱して」
「その言葉は禁止。志歩さんの心はいつだって自由でいいんだよ。何を思ってもいい。苦しいも、楽しいも、好きに感じていい。でもね、苦しい思いを隠すことだけはしないで。志歩さんが一人で苦しんでいると僕もつらいから。一緒に分かち合わせてほしい」
この人はどうしてこんなにも優しいのだろうか。志歩に寄り添ってくれる悟の気持ちが嬉しくてならない。けれど、まだ申し訳なさも残っている。
「ありがとうございます……でも、悟さんがいるのに、苦しくなるなんて」
そこまで口にすると、悟が志歩の目を覗き込むように見つめてくる。
「志歩さんは僕が嫌い?」
そんなことはあり得ないと強く否定する。
「嫌いじゃありません! だって、私は……悟さんのことを、もうほとんど――」
悟の人差し指に唇を押さえられ、言葉を遮られる。
「ストップ。その先はまだ言わなくていいよ。わかっているから。志歩さんに嫌われていないことも、少しずつ心の距離が近くなっていることもわかってる。その距離は、志歩さんが過去のことで泣いたとしても変わらない。僕たちは僕たちのままだよ」
ああ、悟は全部わかってくれている。そう気づけば、胸の中に残っていたわだかまりが消えていく。
俊也の存在で心が揺れ動けば、悟との関係がリセットされてしまうような気がして怖かったのだ。その不安を悟はわかっている。その上で大丈夫だと言ってくれているのだ。
わだかまりが消えた心には悟の言葉がすーっと染み込んできて、ようやく素直な言葉が表へと出てくる。
「……ありがとう。ありがとう、悟さんっ。これからも、悟さんのそばにいさせてください」
「もちろん。これからもずっと一緒にいよう。僕もそれを願っているから」
笑って頷き合えば、二人の心の距離がまた少し近づいたように感じられた。
二人の間に落ち着いた空気が戻り、そろそろ離れなければと、志歩はそっと立ち上がろうとする。けれど、すぐに悟の手に阻まれ、また彼のもとへと戻ってしまった。
先ほどの強い抱擁とは違い、優しく頭を引き寄せられる。志歩は抵抗することなく、悟の肩にこてんと頭を乗せ、甘えるように寄りかかった。
「ねえ、志歩さん」
「はい」
「さっき志歩が言おうとした言葉の続きだけど、僕はそれを無理に言わせたくないんだ。だから、志歩さんが心から言いたいと思ったときに聞かせてくれる?」
「……はい。必ず」
きっと、そう遠くない未来に志歩はその言葉を悟へと贈るだろう。
悟に心の中をすべて晒し、こうして甘えられている今、志歩の胸はどうしようもなく疼いているのだから。