セカンドマリッジ ~病室で目覚めたら、夫と名乗るイケメン社長との激甘夫婦生活が始まりました~
すぐにやわらかなものが、ふにっと志歩の額に押し当てられる。予想していたところとは違うところに訪れたその感触に、志歩は驚きの声を上げた。
「へ?」
悟はもう元の距離に戻っていて、いつもの優しい表情で微笑んでいる。
「明日、楽しみだね」
思考をキスにとらわれていたせいで、すぐには何のことだかわからない。少しずつ明日のことへと思考を移し、少し遅れて返答する。
「明日……あ、あー、明日。そうですね。すごく楽しみです」
志歩がしどろもどろになっているからか、悟はくすくすと笑いをこぼしている。
「本当ですからね。とても待ち遠しかったんですから」
志歩は本当の本当に楽しみにしていたのだ。明日の旅行を。
「僕もだよ。すごく浮かれてしまって、今日はあまり仕事が手につかなかったからね」
それは信じられないと軽く目を見張る。
「悟さんが?」
「志歩さんとの旅行ともなれば、浮かれて当然だよ。僕はいつだって志歩さんといろいろなものを共有したいと思っているからね。それに、いつもと違う場所で過ごせば、志歩さんの新たな一面が見られるかもしれない。そう思うと、とてもわくわくするよ」
期待していると言わんばかりに、ウィンクを飛ばされる。しかし、新たな一面と言われても、志歩はおもちゃ箱のように面白いものを次々と出せる人間ではない。
とはいえ、楽しそうにしている悟に水を差すのも気が引け、できるかぎりの返答で誤魔化す。
「頑張ります?」
「はははっ、頑張らなくていいよ。頑張らなくていいから、思いきり楽しんで。いや、一緒に楽しもう」
一緒にと言ってくれたことが嬉しくて、志歩は「はい」と大きく頷いた。
「へ?」
悟はもう元の距離に戻っていて、いつもの優しい表情で微笑んでいる。
「明日、楽しみだね」
思考をキスにとらわれていたせいで、すぐには何のことだかわからない。少しずつ明日のことへと思考を移し、少し遅れて返答する。
「明日……あ、あー、明日。そうですね。すごく楽しみです」
志歩がしどろもどろになっているからか、悟はくすくすと笑いをこぼしている。
「本当ですからね。とても待ち遠しかったんですから」
志歩は本当の本当に楽しみにしていたのだ。明日の旅行を。
「僕もだよ。すごく浮かれてしまって、今日はあまり仕事が手につかなかったからね」
それは信じられないと軽く目を見張る。
「悟さんが?」
「志歩さんとの旅行ともなれば、浮かれて当然だよ。僕はいつだって志歩さんといろいろなものを共有したいと思っているからね。それに、いつもと違う場所で過ごせば、志歩さんの新たな一面が見られるかもしれない。そう思うと、とてもわくわくするよ」
期待していると言わんばかりに、ウィンクを飛ばされる。しかし、新たな一面と言われても、志歩はおもちゃ箱のように面白いものを次々と出せる人間ではない。
とはいえ、楽しそうにしている悟に水を差すのも気が引け、できるかぎりの返答で誤魔化す。
「頑張ります?」
「はははっ、頑張らなくていいよ。頑張らなくていいから、思いきり楽しんで。いや、一緒に楽しもう」
一緒にと言ってくれたことが嬉しくて、志歩は「はい」と大きく頷いた。