俺様御曹司は姉御肌で破天荒な美女を堕とせるか?
祖母に会長に謝って来るまでは会いませんからねと言われてしゅんとして祖母と別れた。

「研吾ってずるいのね。おばあちゃんに
会えば叱られるのをわかってて連れて
来たでしょう。冷静になれば私も
悪いのは分かってるんだ。
これから会長の所に連れて行ってくれる?
嫌なことはさっさと済ませたい。
おばあちゃんに会えなくなるのは辛いもの」

「わかった。優依ならそう言ってくれると
思ったよ。爺様が優依を認めなくて、
優依が会社辞めるなら俺も辞めるからな。
そこは変わらない」

「だめだよ。研吾がいないと札幌や大阪や
沖縄のホテルはどうなるの?ちゃんと最後
までやって、私は辞めても最後まで
手伝うよ。アドバイザーとかなんとかで、
会社には出ないでも榊さんの事務所で
打ち合わせとかできるじゃない。
大阪のショップエリアの選定も任せて!
あてにしてる所がいくつかあるんだ。
自由に動き回れてかえっていいかも」

そう言ってほほ笑む優依の顔は少し泣き笑いのようになっていて、研吾の心をぎゅっと鷲掴みにした。

何時も飄々と強気の優依が儚く思えて消えてしまいそうで研吾は思わず車を路肩に止めて優依を抱きしめた。

優依はとうとう涙を流して泣き出した。

泣く時まで優依は優依だ。

大きな声でおいおいと子供のように泣きじゃくった。

ハンカチで涙をぬぐってやって研吾は背中をさすっていた。

泣き止んだ優依は恥ずかしそうに“ゴメンありがとう”と言って研吾にもう一度抱き着いた。

本当に優依といるとジェットコースターに乗っているようだ。

今笑ったと思うと難しい顔をして怒っていたり、泣いた優依は今日が初めてだったけれど泣く時まで人を翻弄する。

たいてい笑っているのだが、笑っている顔もいろいろだ。

研吾はそんな優依が愛おしくて仕方がない。
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