悪辣外科医、契約妻に狂おしいほどの愛を尽くす【極上の悪い男シリーズ】
そんな父が突然、私に男性を紹介したいというから驚いた。
目的も教えてもらえず、騙されるようにして連れてこられた高級フレンチレストランに、彼の姿はあった。
「武凪くんは『帝央大学医学部附属病院』で働いていた医師でね。若いのに腕がよくて意欲的だっていうんで、うちの院長が引き抜いてきたんだ。うちに来て一年半になるが、さっそくエースと呼ばれているよ」
前菜に手をつけるのも忘れてそう誇らしげに説明する父は、優秀な部下を自慢したくて仕方がないといった様子だった。
父は脳神経外科や脳血管内科、神経内科などの診療科をまとめる脳血管部門の部長を務めていて、患者ひとりひとりの治療方針をチェックし、承認する立場なのだそう。
武凪さんは部下の中でもとびきり優秀で、手術の腕は脳外科トップの父を凌ぐレベルなのだとか。
患者様や同僚の医師たちからも信頼される素晴らしい医師、とは父の談。
父自身も今でこそひとつの病院に留まっているが、現役時代は全国から手術依頼が来るほどの技量を持っていた。そんな父が太鼓判を押すくらいなのだから、本当に凄腕の医師なのだろう。
武凪さんは正面の席で優雅に前菜を口に運びながら、ふわりと笑う。
「まだまだ修業中ですよ。道根先生にはかないません」
柔らかな低音ボイスを響かせ、上品なスーツに身を包み謙遜する彼は、誠実を絵に描いたような人だ。
目的も教えてもらえず、騙されるようにして連れてこられた高級フレンチレストランに、彼の姿はあった。
「武凪くんは『帝央大学医学部附属病院』で働いていた医師でね。若いのに腕がよくて意欲的だっていうんで、うちの院長が引き抜いてきたんだ。うちに来て一年半になるが、さっそくエースと呼ばれているよ」
前菜に手をつけるのも忘れてそう誇らしげに説明する父は、優秀な部下を自慢したくて仕方がないといった様子だった。
父は脳神経外科や脳血管内科、神経内科などの診療科をまとめる脳血管部門の部長を務めていて、患者ひとりひとりの治療方針をチェックし、承認する立場なのだそう。
武凪さんは部下の中でもとびきり優秀で、手術の腕は脳外科トップの父を凌ぐレベルなのだとか。
患者様や同僚の医師たちからも信頼される素晴らしい医師、とは父の談。
父自身も今でこそひとつの病院に留まっているが、現役時代は全国から手術依頼が来るほどの技量を持っていた。そんな父が太鼓判を押すくらいなのだから、本当に凄腕の医師なのだろう。
武凪さんは正面の席で優雅に前菜を口に運びながら、ふわりと笑う。
「まだまだ修業中ですよ。道根先生にはかないません」
柔らかな低音ボイスを響かせ、上品なスーツに身を包み謙遜する彼は、誠実を絵に描いたような人だ。