悪辣外科医、契約妻に狂おしいほどの愛を尽くす【極上の悪い男シリーズ】
 事前に『なにが食べたい?』と聞かれていた私は、『普段はなかなか食べられないものがいいですよね』なんて無茶ぶりをしてしまい、我ながら幹事泣かせのオーダーだったと反省している。

 そして彼が予約してくれたのは、ラグジュアリーなアジアンダイニング。夜景も楽しめて寛げるハイセンスなお店で、リクエストにぴったりだった。

「このマカロン、美味しい!」

 スイーツではなく前菜として出されたマカロンは、チーズとハーブがふわりと豊かに香って、サクサクした触感で濃厚な味わいだ。とても美味しい。

 大きなエビの入ったトムヤムスープやロブスターのグリルなど、豪華なお料理が続々と運ばれてきた。

「本場に近い味だね。香草の風味が強いけど、大丈夫?」

「はい! とても美味しいです。真宙さんはいかがですか?」

「僕も好きだよ。このお店は初めてで、ちょっとした賭けだったんだけど、気に入ってもらえてよかった」

 そう言ってスープを口に運ぶ。私のためにお店を探してくれたのだと思うと、心がふわふわしてくる。

「映画の方は、どうでしたか? ……楽しめました?」

「ああ、主演の俳優さん、若いのに演技が上手だね。芝居に泣かされたって感じだな」

「わかります! ドラマではコミカルな役が多いんですけど、今回はシリアスで、しかもすごく演技と世界観がマッチしていて」

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