悪辣外科医、契約妻に狂おしいほどの愛を尽くす【極上の悪い男シリーズ】
男の子の顔がこちらを向く。その瞬間、その子の取りこぼしたボールが、廊下をころころと転がっていってしまった。
ボールは運悪く【関係者以外立ち入り禁止】と書かれた看板の奥へ。
「あ」
困った顔でこちらを見上げる子どもたち。
「……た、確かに、今のはお姉ちゃんが話しかけるタイミングも悪かったと思う」
ボールをなくしてしょんぼりする子どもたちに弁解する。
周囲には『ボールを取ってきてくれませんか』とお願いできそうな病院関係者も見当たらない。さて、困ったな……。
その時、ひとりの男の子が「くしゅん」とくしゃみをした。
「大丈夫? パジャマ姿じゃ寒いでしょう?」
男の子の唇はちょっぴり紫色だ。ただでさえ入院中なのだし、一刻も早く暖かい病室に戻った方がいいと思った。
「私がボールを取ってくるから、君たちは先に病室に戻っていてくれる?」
三人がこくこくと頷く。うちひとりが「小児整形外科の、プレイルームにあったボールだよ」と教えてくれた。
「オッケー。じゃあ私がそこにボールを返しておいてあげる。三人はちゃんとお部屋に戻って、ゆっくり休むこと」
「はーい」
三人が病棟の奥へ戻っていく。私は「さて」と、【関係者以外立ち入り禁止】と書かれた暗い通路に向き直った。
「失礼します~……」
ボールは運悪く【関係者以外立ち入り禁止】と書かれた看板の奥へ。
「あ」
困った顔でこちらを見上げる子どもたち。
「……た、確かに、今のはお姉ちゃんが話しかけるタイミングも悪かったと思う」
ボールをなくしてしょんぼりする子どもたちに弁解する。
周囲には『ボールを取ってきてくれませんか』とお願いできそうな病院関係者も見当たらない。さて、困ったな……。
その時、ひとりの男の子が「くしゅん」とくしゃみをした。
「大丈夫? パジャマ姿じゃ寒いでしょう?」
男の子の唇はちょっぴり紫色だ。ただでさえ入院中なのだし、一刻も早く暖かい病室に戻った方がいいと思った。
「私がボールを取ってくるから、君たちは先に病室に戻っていてくれる?」
三人がこくこくと頷く。うちひとりが「小児整形外科の、プレイルームにあったボールだよ」と教えてくれた。
「オッケー。じゃあ私がそこにボールを返しておいてあげる。三人はちゃんとお部屋に戻って、ゆっくり休むこと」
「はーい」
三人が病棟の奥へ戻っていく。私は「さて」と、【関係者以外立ち入り禁止】と書かれた暗い通路に向き直った。
「失礼します~……」