悪辣外科医、契約妻に狂おしいほどの愛を尽くす【極上の悪い男シリーズ】
思わず「え……」と呟きを漏らす。とても困っているような態度ではなかったけれど……。
「親しそうに見えたんですが」
「彼女、内科部長の娘だから。立場上、無下に断れなくて」
人当たりのいい笑みの中にほんのり困惑を滲ませる。
納得しつつも、なにかが引っかかった。あの思わせぶりな発言は、彼女に期待を持たせようとしているように聞こえたから。
「もしかして、僕が浮気していると思ったのかな?」
柔らかな口調で近付いてくる彼。不意に顎に指先をかけられ鼓動が騒ぐ。
「心外だな。僕が愛しているのは君だけなのに」
その言葉で違和感の正体にようやく思い至り、彼の胸を押し返した。
お付き合いを始めたばかりなのに、なぜ『愛している』だなんて断言できるのか。
答えは簡単だ。本当は愛していないから。聞こえのいい言葉でうやむやにしようとしているだけ。さっきの女性に対する態度と私に対する態度が同じだということにようやく気付いた。
彼が、すっと目を細める。
「どうしても、信じられない?」
「……本当は私のことをどう思っているんですか。もしかして、真宙さんは――」
尋ねようとした、その時。彼が一歩を踏み出した。
唐突に距離を縮められ、唇を塞がれる。
「んっ……」
あまりに一瞬の出来事で、抵抗すらできないまま、唇を欲しいままにされた。
「親しそうに見えたんですが」
「彼女、内科部長の娘だから。立場上、無下に断れなくて」
人当たりのいい笑みの中にほんのり困惑を滲ませる。
納得しつつも、なにかが引っかかった。あの思わせぶりな発言は、彼女に期待を持たせようとしているように聞こえたから。
「もしかして、僕が浮気していると思ったのかな?」
柔らかな口調で近付いてくる彼。不意に顎に指先をかけられ鼓動が騒ぐ。
「心外だな。僕が愛しているのは君だけなのに」
その言葉で違和感の正体にようやく思い至り、彼の胸を押し返した。
お付き合いを始めたばかりなのに、なぜ『愛している』だなんて断言できるのか。
答えは簡単だ。本当は愛していないから。聞こえのいい言葉でうやむやにしようとしているだけ。さっきの女性に対する態度と私に対する態度が同じだということにようやく気付いた。
彼が、すっと目を細める。
「どうしても、信じられない?」
「……本当は私のことをどう思っているんですか。もしかして、真宙さんは――」
尋ねようとした、その時。彼が一歩を踏み出した。
唐突に距離を縮められ、唇を塞がれる。
「んっ……」
あまりに一瞬の出来事で、抵抗すらできないまま、唇を欲しいままにされた。