悪女、チャレンジします!

常盤君と話したい!

朝、家のドアを開けると眩しいくらい太陽の光が降り注いでくる。

見上げれば雲一つない、快晴の空。

なのに私の心はどんよりとした曇り空。

頭の中で色んな人の声が聞こえてごちゃごちゃする。

どうしたらいいか全然わからないよ。

一色君に告白されたなんて、さすがに咲良と姫華にも相談できないし。

常盤君とだってずっと話せてない。

……もう常盤君と話をすることはできないのかな。

そんなの嫌だよ。

校内新聞が貼ってあったところがぽかんと空いている。

一段一段を階段を踏み締める足が重い。

教室に行けば常盤君がいる。

常盤君とすごく会いたいのに、顔を見たくない。

どうせ私のことなんか興味なんてないんでしょうけど。

そう思いながらガラッと教室のドアを開ける。

あれ、何で常盤君が咲良と姫華と話をしているの?

常盤君は私を見つけると慌てた顔をしてその場を離れた。

まるで私から逃げているみたい。

「お、おはよう、舞奈」

咲良と姫華が無理して平静を装っているのが声を聞けばわかる。

「常盤君と何か話てたの?」

「忘れ物したみたいでさ。貸してくれないかなって」

そんなの嘘だ。

もしかして、常盤君は新しいパートナーでも探しているの?

二人が常盤君派になったのを知って声をかけたのかも。

常盤君は私じゃなくても、誰でもいいのかな。

胸が焦がれたように痛い。

こんなに苦しくなるなら生徒会に入らなきゃよかった。

好きな人から嫌われるくらいなら、ずっと遠くで見てた方がましだった。

自分の席に戻った常盤君は何事もなかったかのように本を読んでいる。

どうしてそんな自然でいられるの?

私は常盤君のことを考えていてもたってもいられないのに……。

気がついたら常盤君のことばかり考えている。

本当、嫌になっちゃう。

常盤君は私のこんな気持ちなんて知らないんだろうけど。
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