身代わり聖女になったら、なぜか王太子に溺愛されてます!?
*
朝食というには遅い食事を済ませると、エリシアは執務室を訪ねた。カイゼルとビクターが、続々と運び込まれるグスタフ・オルティスの残した資料に目を通していると聞いたからだった。
扉をノックすると、カイゼルの返事が聞こえて、ビクターが顔を出す。
「エリシアさんではないですか。資料の確認にいらしたんですか?」
「殿下が部屋を訪ねてくださったと聞いたので。何かご用事かと」
「ええっ、そうだったんですか?」
ビクターが驚いて振り返る。どうやら知らなかったらしい。
「なんだ、わざわざ来たのか。ビクター、少し出てくる。作業を続けてくれ」
資料が山積みになった机の奥から立ち上がったカイゼルは、真っ直ぐエリシアのもとへ向かってくる。
「昼まで寝ているつもりかと思ったぞ。思うより繊細らしい」
からかわれたのか心配されたのか、複雑な気分になりながら、エリシアはカイゼルとともに廊下を歩き出す。
「どちらへ行かれるんですか?」
「ちょっとな、エリシアに見せたいものがある」
「見せたいものって?」
黙ってついてこいとばかりに、カイゼルは無言で先を進んだ。何回か階段を降り、向かうのは中庭のようだった。
噴水のある庭はルイの部屋から見下ろせたが、取り囲むようにある樹々以外には何もなかったはずだ。まさか、草木に囲まれる美しい中庭を見せたいわけではないだろう。エリシアがけげんに思っていると、カイゼルは噴水を通り越して、何もない樹々の間を進んでいく。
「この先に何かあるんですか?」
不安になってエリシアがカイゼルの背中に向かって声をかけたとき、彼は急に立ち止まる。そして、その先にある大きな扉に驚いた。
「こんなところに扉が?」
よく見ると、中庭を取り囲むようにして塀が作られている。その塀につけられた扉のようだ。
朝食というには遅い食事を済ませると、エリシアは執務室を訪ねた。カイゼルとビクターが、続々と運び込まれるグスタフ・オルティスの残した資料に目を通していると聞いたからだった。
扉をノックすると、カイゼルの返事が聞こえて、ビクターが顔を出す。
「エリシアさんではないですか。資料の確認にいらしたんですか?」
「殿下が部屋を訪ねてくださったと聞いたので。何かご用事かと」
「ええっ、そうだったんですか?」
ビクターが驚いて振り返る。どうやら知らなかったらしい。
「なんだ、わざわざ来たのか。ビクター、少し出てくる。作業を続けてくれ」
資料が山積みになった机の奥から立ち上がったカイゼルは、真っ直ぐエリシアのもとへ向かってくる。
「昼まで寝ているつもりかと思ったぞ。思うより繊細らしい」
からかわれたのか心配されたのか、複雑な気分になりながら、エリシアはカイゼルとともに廊下を歩き出す。
「どちらへ行かれるんですか?」
「ちょっとな、エリシアに見せたいものがある」
「見せたいものって?」
黙ってついてこいとばかりに、カイゼルは無言で先を進んだ。何回か階段を降り、向かうのは中庭のようだった。
噴水のある庭はルイの部屋から見下ろせたが、取り囲むようにある樹々以外には何もなかったはずだ。まさか、草木に囲まれる美しい中庭を見せたいわけではないだろう。エリシアがけげんに思っていると、カイゼルは噴水を通り越して、何もない樹々の間を進んでいく。
「この先に何かあるんですか?」
不安になってエリシアがカイゼルの背中に向かって声をかけたとき、彼は急に立ち止まる。そして、その先にある大きな扉に驚いた。
「こんなところに扉が?」
よく見ると、中庭を取り囲むようにして塀が作られている。その塀につけられた扉のようだ。