身代わり聖女になったら、なぜか王太子に溺愛されてます!?
「こちらの薬液を患者のみなさんに使っていただくのですね?」
エリシアが尋ねると、ベルナンは大きくうなずく。
「ルーゼは還炎熱に効くと仮定しておりますので、3種類のうち、どの薬液が一番はやく効果を出すのか調べるのでございます。お手伝いいただけますかな?」
「もちろんです。……でも、アルナは触るだけでピリリとしびれて、とても飲めるものではありませんよね?」
父の残したメモによれば、アルナは昔から木材などの腐敗防止に使われている樹液で、香水にも使えるのではないかと考え、転用したとあった。
「さすがはエリシア様、そうでございます。アルナはそのままでは刺激が強く、飲めるものではありませんが……」
ベルナンは、そっと手にした黄色の瓶を傾けながら続ける。
「こちらの薬液は、アルナを低温で蒸留して不純物を取り除き、そこへ、ルーゼの果実のしぼり汁を調合したのです。すると、刺激がまろやかになりましてな。これなら、体内に取り込んでも害にはなりません」
「味は……おいしくはありませんよね?」
「少々酸味が強いかと。薬液として使えるとわかりましたら、蜂蜜などを加えて、飲みやすくなるようにいたしましょう」
穏やかに答えるベルナンを見て、エリシアはほっと息をついた。
「では、早速始めようか。手分けして患者に与えよう」
カイゼルの掛け声で、エリシアはベルナンとビクターと目を合わせてうなずきあった。
エリシアはベルナンと手分けして、3種類の薬液を患者たちに飲ませて回った。薬液は苦く酸味があり、好むものはいなかったが、皆、還炎熱が治るのならと進んで協力してくれた。
何より、王都で広く名が知られるベルナンの作った薬液を、聖女自ら下されるという事実に、患者たちは高揚していた。エリシアは自分は聖女ではないという事実を知っていたが、皆が喜ぶならと、カイゼルが宮殿へ戻るように言うのを拒み、療養所に残って一生懸命看病した。
エリシアが尋ねると、ベルナンは大きくうなずく。
「ルーゼは還炎熱に効くと仮定しておりますので、3種類のうち、どの薬液が一番はやく効果を出すのか調べるのでございます。お手伝いいただけますかな?」
「もちろんです。……でも、アルナは触るだけでピリリとしびれて、とても飲めるものではありませんよね?」
父の残したメモによれば、アルナは昔から木材などの腐敗防止に使われている樹液で、香水にも使えるのではないかと考え、転用したとあった。
「さすがはエリシア様、そうでございます。アルナはそのままでは刺激が強く、飲めるものではありませんが……」
ベルナンは、そっと手にした黄色の瓶を傾けながら続ける。
「こちらの薬液は、アルナを低温で蒸留して不純物を取り除き、そこへ、ルーゼの果実のしぼり汁を調合したのです。すると、刺激がまろやかになりましてな。これなら、体内に取り込んでも害にはなりません」
「味は……おいしくはありませんよね?」
「少々酸味が強いかと。薬液として使えるとわかりましたら、蜂蜜などを加えて、飲みやすくなるようにいたしましょう」
穏やかに答えるベルナンを見て、エリシアはほっと息をついた。
「では、早速始めようか。手分けして患者に与えよう」
カイゼルの掛け声で、エリシアはベルナンとビクターと目を合わせてうなずきあった。
エリシアはベルナンと手分けして、3種類の薬液を患者たちに飲ませて回った。薬液は苦く酸味があり、好むものはいなかったが、皆、還炎熱が治るのならと進んで協力してくれた。
何より、王都で広く名が知られるベルナンの作った薬液を、聖女自ら下されるという事実に、患者たちは高揚していた。エリシアは自分は聖女ではないという事実を知っていたが、皆が喜ぶならと、カイゼルが宮殿へ戻るように言うのを拒み、療養所に残って一生懸命看病した。