身代わり聖女になったら、なぜか王太子に溺愛されてます!?
「熱病の患者はまずノアリエル療養所へ行き、静養します。中には、なかなか熱が下がらず、意識を失う方もおります」
「そのような方がノアム大聖堂へ来られるのですね」
「そういうことです。療養所の整備はもちろん、市民が安心して暮らせるようにと、王太子殿下は情報提供にも力を入れておられます。そうした迅速な英断のおかげで、熱病の患者はみるみるうちに減ってきてはいるのですが……」
サイモンは苦々しい表情を見せて語尾を濁すと、大聖堂の中へ入っていく。
(減ってるのなら喜んだっていいのに……。今のサイモン様の表情はなんだろう……)
エリシアは気になったが、大聖堂の中へ一歩踏み込んだ途端、異様な雰囲気に口もとを結んだ。
入り口を入ってすぐに広がる大広間には、いくつものベッドが置かれていた。低いうめき声に、汗くさい匂い。何日も扉を閉め切っているようなジメジメとした空気。数人の修道士や修道女が、ベッドを回って患者の観察をしているようだが、その表情は暗く、疲れ切っているように見える。
「苦しそうですね……」
ベッドの合間を縫いながら奥へ向かう途中、ひとりごとのようにつぶやくと、サイモンが話しかけてくる。
「こちらの患者は、重度な方の中でも軽い方なのです。重い症状の方は奥の部屋でリビア様の治療を受けておられます」
「そのような方がノアム大聖堂へ来られるのですね」
「そういうことです。療養所の整備はもちろん、市民が安心して暮らせるようにと、王太子殿下は情報提供にも力を入れておられます。そうした迅速な英断のおかげで、熱病の患者はみるみるうちに減ってきてはいるのですが……」
サイモンは苦々しい表情を見せて語尾を濁すと、大聖堂の中へ入っていく。
(減ってるのなら喜んだっていいのに……。今のサイモン様の表情はなんだろう……)
エリシアは気になったが、大聖堂の中へ一歩踏み込んだ途端、異様な雰囲気に口もとを結んだ。
入り口を入ってすぐに広がる大広間には、いくつものベッドが置かれていた。低いうめき声に、汗くさい匂い。何日も扉を閉め切っているようなジメジメとした空気。数人の修道士や修道女が、ベッドを回って患者の観察をしているようだが、その表情は暗く、疲れ切っているように見える。
「苦しそうですね……」
ベッドの合間を縫いながら奥へ向かう途中、ひとりごとのようにつぶやくと、サイモンが話しかけてくる。
「こちらの患者は、重度な方の中でも軽い方なのです。重い症状の方は奥の部屋でリビア様の治療を受けておられます」