身代わり聖女になったら、なぜか王太子に溺愛されてます!?
「そうなんですね……」
「エリシアさんには、この広間の方々をお願いしようと思っています。詳しい話は奥の部屋で私から……」
サイモンはそう言いながら、ふと口をつぐんで目線を動かした。その視線の先には、ベッドの上に横たわり、ぐったりとする中年の男の姿があった。
「どうしたんですか?」
サイモンがじっと男を見ているから、気になって尋ねると、彼はすぐに男から目を離し、ふたたび歩き出す。そして、大広間から細い廊下へ入ると言う。
「あの方は先月、回復して自宅へ戻った方です」
「それじゃあ、また熱病に?」
「還炎熱」
「かんえん……ねつ?」
「いまは、この病を『還炎熱』と呼んでいます。熱が治まっても、またぶり返す。まるで消えたはずの炎が戻ってくるように……本当に厄介な病なんですよ」
(だから、さっきサイモン様はあんな苦しい表情を……)
「それじゃあ、司祭様も……」
エリシアがそれに気づいてハッと息を飲み込むと、サイモンは困り顔をする。
「はい。私もふたたび、熱を発症するかもしれません」
(だとしたら……)
エリシアはごくりと唾を飲み込む。
「もしかして、ルイ殿下もまだお治りになっていないんですか?」
「残念ながら。二度目の高熱を発症したと聞き及んでいます。王太子殿下も毎日悩まれているようで、王宮から使いがリビア様のもとへたびたび訪れています。そのときは慌しくなるかもしれませんが、失礼のないようにお願いしますね」
「はい。それはもちろんです」
胸を張ると、サイモンは安堵したような笑みを見せた。
「エリシアさんには、この広間の方々をお願いしようと思っています。詳しい話は奥の部屋で私から……」
サイモンはそう言いながら、ふと口をつぐんで目線を動かした。その視線の先には、ベッドの上に横たわり、ぐったりとする中年の男の姿があった。
「どうしたんですか?」
サイモンがじっと男を見ているから、気になって尋ねると、彼はすぐに男から目を離し、ふたたび歩き出す。そして、大広間から細い廊下へ入ると言う。
「あの方は先月、回復して自宅へ戻った方です」
「それじゃあ、また熱病に?」
「還炎熱」
「かんえん……ねつ?」
「いまは、この病を『還炎熱』と呼んでいます。熱が治まっても、またぶり返す。まるで消えたはずの炎が戻ってくるように……本当に厄介な病なんですよ」
(だから、さっきサイモン様はあんな苦しい表情を……)
「それじゃあ、司祭様も……」
エリシアがそれに気づいてハッと息を飲み込むと、サイモンは困り顔をする。
「はい。私もふたたび、熱を発症するかもしれません」
(だとしたら……)
エリシアはごくりと唾を飲み込む。
「もしかして、ルイ殿下もまだお治りになっていないんですか?」
「残念ながら。二度目の高熱を発症したと聞き及んでいます。王太子殿下も毎日悩まれているようで、王宮から使いがリビア様のもとへたびたび訪れています。そのときは慌しくなるかもしれませんが、失礼のないようにお願いしますね」
「はい。それはもちろんです」
胸を張ると、サイモンは安堵したような笑みを見せた。