身代わり聖女になったら、なぜか王太子に溺愛されてます!?
***
「ここからは、俺が案内します。改めまして、ビクター・ベルクと申します。宮殿での困りごとは、俺か……これからご紹介します、メイドのシルビアにお申し出ください」
宮殿へ到着すると、さっさと中へ入っていくカイゼルの背中をあきれて眺めるエリシアに、ビクターは仰々しく頭をさげた。
「あっ、エリシア・オルティスです。よろしくお願いします」
エリシアも名乗ると、彼は愉快そうに目を細める。
(聖女らしくないって思われたかしら……)
あわてて威厳を見せるように背筋を伸ばしたとき、入り口の階段に現れたメイドが足早に降りてくるのが見えた。
「ビクター様、遅くなりました。リビア様の代理の方がいらっしゃると聞いて……」
メイドは駆けつけるなりそう言うが、エリシアの装束を頭のてっぺんからつま先まで眺めた途端に息を飲んだ。そして、ビクターにすり寄り、こっそりつぶやく。
「代理だなんて嘘ばかり……。こちらの高貴なお方はどなたですか?」
「ノアム大聖堂の聖女、エリシア様ですよ」
「聖女様っ?」
シルビアは驚きでかすれた声をあげると、ハッと口もとに手をあてる。そして、何事もなかったかのようににっこりとほほえむ。
「メイドのシルビア・アギラと申します。本日より聖女様の身のまわりのお世話を任されております。どうぞお見知りおきください」
「私はエリ……」
「聖女様、早速ですが、これからシルビアがルイ殿下のお部屋へご案内いたしますので、俺はここで失礼します」
エリシアが名乗ろうとしたのを、わざとビクターは遮ったようだった。宮殿の……とはいえ、一介のメイドに聖女が丁寧に挨拶するのは不自然だからだろう。
(ビクターさんは私が聖女じゃないって見抜いて、かばってくれたのかしら)
不安を感じつつ、エリシアはシルビアとともに宮殿の中へと進んだ。
「ここからは、俺が案内します。改めまして、ビクター・ベルクと申します。宮殿での困りごとは、俺か……これからご紹介します、メイドのシルビアにお申し出ください」
宮殿へ到着すると、さっさと中へ入っていくカイゼルの背中をあきれて眺めるエリシアに、ビクターは仰々しく頭をさげた。
「あっ、エリシア・オルティスです。よろしくお願いします」
エリシアも名乗ると、彼は愉快そうに目を細める。
(聖女らしくないって思われたかしら……)
あわてて威厳を見せるように背筋を伸ばしたとき、入り口の階段に現れたメイドが足早に降りてくるのが見えた。
「ビクター様、遅くなりました。リビア様の代理の方がいらっしゃると聞いて……」
メイドは駆けつけるなりそう言うが、エリシアの装束を頭のてっぺんからつま先まで眺めた途端に息を飲んだ。そして、ビクターにすり寄り、こっそりつぶやく。
「代理だなんて嘘ばかり……。こちらの高貴なお方はどなたですか?」
「ノアム大聖堂の聖女、エリシア様ですよ」
「聖女様っ?」
シルビアは驚きでかすれた声をあげると、ハッと口もとに手をあてる。そして、何事もなかったかのようににっこりとほほえむ。
「メイドのシルビア・アギラと申します。本日より聖女様の身のまわりのお世話を任されております。どうぞお見知りおきください」
「私はエリ……」
「聖女様、早速ですが、これからシルビアがルイ殿下のお部屋へご案内いたしますので、俺はここで失礼します」
エリシアが名乗ろうとしたのを、わざとビクターは遮ったようだった。宮殿の……とはいえ、一介のメイドに聖女が丁寧に挨拶するのは不自然だからだろう。
(ビクターさんは私が聖女じゃないって見抜いて、かばってくれたのかしら)
不安を感じつつ、エリシアはシルビアとともに宮殿の中へと進んだ。