身代わり聖女になったら、なぜか王太子に溺愛されてます!?
ルイは線の細い茶色の髪を持つ少年だった。真っ白な肌は赤みを帯び、汗をかいた前髪はひたいに張り付いている。上質なリネンの寝間着が汗に濡れ、小さな体は弱々しく見えた。
「先ほど、水を飲ませたばかりです。寝間着もこまめにお着替えしていますが、すぐに濡れてしまって……」
途方にくれた顔をするシルビアに、エリシアは安心させるようにうなずく。
「還炎熱の方はみなさん同じです。お水は少しずつ差し上げてください。ずいぶん、汗をかかれていますから、私に清潔な布と……」
エリシアは辺りを見まわし、陶器のうつわを見つけると、シルビアに尋ねる。
「こちらのお水は?」
「メイドたちが手を洗うように用意しています、湧き水でございます。宮殿の裏庭には、それはそれは綺麗な湧き水があるのです」
「アルナはありますか?」
「アルナでございますか?」
なぜか、シルビアは苦々しい表情を見せた。
「アルナの樹液から作る清めの水です。ノアム大聖堂では必ず使うようにしています。ないようでしたら、すぐに大聖堂の司祭様にご連絡して……」
「いえ、アルナはございます。しかしながら、ルイ殿下がどうしても匂いをお嫌いになるものですから、王妃殿下が取りやめるようにとの仰せで、使用を控えております」
(匂い……。やっぱり、アルナ独特の匂いは気になるわよね……)
エリシアは少し考え込んだあと、不安そうにこちらを見つめるシルビアに願い出る。
「王妃陛下にお会いすることはできますか?」
「えっ、ユレナ王妃様にですか?」
「アルナの使用をお認めくださるようお願いしたいのです。お取次ぎをお願いできますでしょうか?」
「先ほど、水を飲ませたばかりです。寝間着もこまめにお着替えしていますが、すぐに濡れてしまって……」
途方にくれた顔をするシルビアに、エリシアは安心させるようにうなずく。
「還炎熱の方はみなさん同じです。お水は少しずつ差し上げてください。ずいぶん、汗をかかれていますから、私に清潔な布と……」
エリシアは辺りを見まわし、陶器のうつわを見つけると、シルビアに尋ねる。
「こちらのお水は?」
「メイドたちが手を洗うように用意しています、湧き水でございます。宮殿の裏庭には、それはそれは綺麗な湧き水があるのです」
「アルナはありますか?」
「アルナでございますか?」
なぜか、シルビアは苦々しい表情を見せた。
「アルナの樹液から作る清めの水です。ノアム大聖堂では必ず使うようにしています。ないようでしたら、すぐに大聖堂の司祭様にご連絡して……」
「いえ、アルナはございます。しかしながら、ルイ殿下がどうしても匂いをお嫌いになるものですから、王妃殿下が取りやめるようにとの仰せで、使用を控えております」
(匂い……。やっぱり、アルナ独特の匂いは気になるわよね……)
エリシアは少し考え込んだあと、不安そうにこちらを見つめるシルビアに願い出る。
「王妃陛下にお会いすることはできますか?」
「えっ、ユレナ王妃様にですか?」
「アルナの使用をお認めくださるようお願いしたいのです。お取次ぎをお願いできますでしょうか?」