身代わり聖女になったら、なぜか王太子に溺愛されてます!?
シルビアはさみしそうな表情をする。
「ノアム大聖堂はいまだに人手が足りず、大変な状況ですし、リビア様のご様子も心配です」
それに、ルルカとマルナにはやく会いたい。ルイやシルビアとの生活がつらかったわけではないが、やはり、エリシアはルルカたちのそばにいたかった。
「そんなもっともらしい理由をつけて、ここから逃げ出す気か。よほど、聖女ではないことを知られるのが怖いらしい」
聞こえてきた男の声に驚いて、エリシアはシルビアと顔を合わせると、扉の方を同時に振り返る。
「カイゼル様っ、お越しになるときはお知らせくださるようお願いしておりましたのに」
シルビアがあわてて、部屋の中へ入ってこようとするカイゼルの前に立ちはだかる。
「良い、シルビア」
「しかしっ、カイゼル様まで還炎熱にかかられては大変です」
「その娘と話をするだけだ。……ルイ、本はシルビアに読んでもらえ」
カイゼルに声をかけられたルイは、途端に悲しそうに顔をくしゃりとさせ、うるうると瞳に涙を浮かべる。
「兄さま……兄さま、どうして?」
「俺が今からエリシアと話をするからだ。シルビアも、ルイに読ませてやりたくて仕方ないそうだ」
ルイは少し考え込む様子を見せて、シルビアをじぃーっと見つめる。
「……そうなの?」
「あ……、もちろん、もちろんそうでございますよ、ルイ様。シルビアではいけませんか?」
ハッとしたシルビアがベッドに駆け寄ると、ルイは迷いに迷って、そーっと本を差し出す。
「シルビアに読んでもらう」
「ルイ、いい子だ。……シルビア、任せたぞ。さあ、おまえは俺についてこい」
ルイに向けられていた優しいまなざしが、こちらに向いたときには冷たくなり、カイゼルは目が合う前に顔を背けるようにして部屋を出ていく。エリシアは困惑したが、仕方なくカイゼルを追いかけた。
「ノアム大聖堂はいまだに人手が足りず、大変な状況ですし、リビア様のご様子も心配です」
それに、ルルカとマルナにはやく会いたい。ルイやシルビアとの生活がつらかったわけではないが、やはり、エリシアはルルカたちのそばにいたかった。
「そんなもっともらしい理由をつけて、ここから逃げ出す気か。よほど、聖女ではないことを知られるのが怖いらしい」
聞こえてきた男の声に驚いて、エリシアはシルビアと顔を合わせると、扉の方を同時に振り返る。
「カイゼル様っ、お越しになるときはお知らせくださるようお願いしておりましたのに」
シルビアがあわてて、部屋の中へ入ってこようとするカイゼルの前に立ちはだかる。
「良い、シルビア」
「しかしっ、カイゼル様まで還炎熱にかかられては大変です」
「その娘と話をするだけだ。……ルイ、本はシルビアに読んでもらえ」
カイゼルに声をかけられたルイは、途端に悲しそうに顔をくしゃりとさせ、うるうると瞳に涙を浮かべる。
「兄さま……兄さま、どうして?」
「俺が今からエリシアと話をするからだ。シルビアも、ルイに読ませてやりたくて仕方ないそうだ」
ルイは少し考え込む様子を見せて、シルビアをじぃーっと見つめる。
「……そうなの?」
「あ……、もちろん、もちろんそうでございますよ、ルイ様。シルビアではいけませんか?」
ハッとしたシルビアがベッドに駆け寄ると、ルイは迷いに迷って、そーっと本を差し出す。
「シルビアに読んでもらう」
「ルイ、いい子だ。……シルビア、任せたぞ。さあ、おまえは俺についてこい」
ルイに向けられていた優しいまなざしが、こちらに向いたときには冷たくなり、カイゼルは目が合う前に顔を背けるようにして部屋を出ていく。エリシアは困惑したが、仕方なくカイゼルを追いかけた。