身代わり聖女になったら、なぜか王太子に溺愛されてます!?
ノアム大聖堂を離れた日もそうだったというのだろうか。とてもそうは思えなかった。
(調子のいいところがあるのかしら)
ひどく驚くと、カイゼルは目尻にしわを寄せて笑った。
「もしかしたら、俺はエリシアに失礼なことをしたことがあるのかもしれないな。もはや、覚えていないことを謝る気はないが、おまえが心優しい娘であることは認めている。だから、もう少し俺に笑顔を見せてくれないか」
「何を……」
「熱を出して寝込んでいるとき、天使のような娘が俺にほほえみかけていた。あれは、エリシアだったのだろうか。その答え合わせをしたい」
「そんな……、笑えと言われて笑えるものではありませんっ」
「威勢のいい娘だ」
カイゼルはあきれつつ、おかしそうに口もとをゆるめている。何がなんだかわからないが、からかわれているようだ。
「殿下の周りにはおしとやかなご令嬢がたくさんいるでしょうから、その天使のような方は私ではないと思います」
「そうでもない。王太子妃になりたいと願う娘は気が強くてな。心の美しさが顔に表れる、本当に美しい娘はエリシアしか見たことがない」
(何を言ってるのかしら)
ぽかんと口を開けるエリシアは、妙に真剣なまなざしでこちらを見つめてくるカイゼルに気づいて、あわてて目をそらした。
(なんなの、なんなのよ……)
どうにも、カイゼルの視線がこちらに張り付いているような気がして、ほおが熱くなるのを感じながら、やはりエリシアは車窓の外へと気をそらすしかなかった。
(調子のいいところがあるのかしら)
ひどく驚くと、カイゼルは目尻にしわを寄せて笑った。
「もしかしたら、俺はエリシアに失礼なことをしたことがあるのかもしれないな。もはや、覚えていないことを謝る気はないが、おまえが心優しい娘であることは認めている。だから、もう少し俺に笑顔を見せてくれないか」
「何を……」
「熱を出して寝込んでいるとき、天使のような娘が俺にほほえみかけていた。あれは、エリシアだったのだろうか。その答え合わせをしたい」
「そんな……、笑えと言われて笑えるものではありませんっ」
「威勢のいい娘だ」
カイゼルはあきれつつ、おかしそうに口もとをゆるめている。何がなんだかわからないが、からかわれているようだ。
「殿下の周りにはおしとやかなご令嬢がたくさんいるでしょうから、その天使のような方は私ではないと思います」
「そうでもない。王太子妃になりたいと願う娘は気が強くてな。心の美しさが顔に表れる、本当に美しい娘はエリシアしか見たことがない」
(何を言ってるのかしら)
ぽかんと口を開けるエリシアは、妙に真剣なまなざしでこちらを見つめてくるカイゼルに気づいて、あわてて目をそらした。
(なんなの、なんなのよ……)
どうにも、カイゼルの視線がこちらに張り付いているような気がして、ほおが熱くなるのを感じながら、やはりエリシアは車窓の外へと気をそらすしかなかった。