それは麻薬のような愛だった
しかし週末、その決意は叶う事はなかった。
年末からの疲れがここに来て出たのか今度は雫が体調を崩し、週末は起き上がることもままならないほどに寝込んだ。
熱はそれほど高くはないがとにかく身体が怠く、意欲が湧かない。心なしか胃の調子も悪く、食事が酷く億劫に感じた。
病院に行こうかと思ったが熱も無いのに重い体を引きずって外に出て、挙句病院の待合室で長時間待たされるのは逆に悪化しそうだ。おそらく風邪だろうと見当をつけてその週末はベッドの上で過ごすことを決めた。
伊澄から連絡は来ていたが、予定があると断った。
こんな状態では話などまともに出来はしないし、万が一風邪をうつしでもしたら罪悪感が比ではない。
とにかく寝て治してしまおうと週末の2日を自宅で過ごし、月曜日には少し回復したので出社した。
「雫、ちょっといい?」
美波に話しかけられ、少しぼんやりしていた意識が戻りハッと顔を上げる。見ればファイルに目を落とした美波が側に立っていた。
「カガヤソフトさんとの話し合いで雫が残してくれたメモなんだけど、ちょっと詳しく聞きたくて…」
「あ、うん。なに?」
美波にファイルを差し出され、聞かれた質問に答える。サッと残したままにしたメモを噛み砕いて説明すると、納得した美波が顔を上げた。
「ありがとう雫、ごめんね手止めさせちゃって」
「大丈夫。…あ、それより例の話はどうなった?今度は私が週末休んじゃったから聞けてないよね」
「あ〜、あれね」
美波は気まずそうに頬を掻き、その場にしゃがみ込んで声を落とした。