あなたの姫は私だけ
「あー、わりぃ。さっきまでの、仕事モードの俺なんだよね。これがほんとの俺」


要するに、裏表ある人ってことか。


「そうなんですか…」

「お前、客でもないし仕事モードになる必要ないからな」

「そうですね…未成年ですから…」


正直、さっきまでの優しい話し方がよかったけど…

この人からしたら、仕事モードでいるのも疲れるよね。

お客さんになれるわけでもないし。


「で?親とでも喧嘩した?」

「あ、えっと…嫌われてて…」

「親に?」

「はい。私が志望校、落ちちゃってそれで…」

「教育ママだったのか」

「そうかも…」


その頃はそんなこと思ってなかったけど、今考えたらそうだよね。

すっごい教育に厳しかったお母さん。

だから、受験失敗して絶望されたんだよね。


「で、帰りたくないと」

「私なんかいなきゃよかったって言われて…帰ったらお母さんいるし、怖くて」

「ふーん」


興味無さそうな感じでコーヒーを飲んでるこの人は、何かを考えていた。
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