愛は花あられ
師道社長は靴を脱ぐと、真っ先にわたしを抱き締めた。
「香川から聞いたよ。また、あの変な虫に絡まれたんだって?」
「あ、あぁ、、、。でも、香川さんが助けてくださったので。」
「本当、油断も隙もあったもんじゃない。」
師道社長はそう言って腕を離すと、「良い匂いがする。腹減ったぁ〜。上着を脱いでから、そっちに行くね。」と言い、寝室へと入って行った。
わたしはキッチンへ戻ると、コンソメスープを温め、予熱で火を通しておいたハンバーグが入ったフライパンの蓋を開けた。
うん、良い感じにふっくらしてる。
すると、上着を脱ぎ、ネクタイを外して第2ボタンまでを開けた師道社長がキッチンへとやって来た。
「おっ!ハンバーグだ!」
「すいません、こんな普通の料理しか作れなくて、、、。」
「えっ?何で謝るの?俺、妃都の料理好きだよ?」
師道社長はそう言いながら腕捲くりをし、「皿、出すね!」と後ろの棚からお皿を出してくれた。
「でも、師道社長はもっと凝ったお料理とか食べて育ってきたんじゃないですか?」
わたしがそう言うと、師道社長は「んー、、、」と唸ったあと、「凝った料理というか、母さんは親父に合わせた料理しか作らなかったから、俺には美味しいと感じたことが無かったなぁ。」と言った。
「え、そうなんですか?」
「うん。俺はさ、これは褒め言葉になるのか分からないけど"普通の料理"が食べたかったんだ。だから、俺は妃都の料理が大好きだよ!」
わたしの料理が大好き?
そんなこと、初めて言われた。