愛は花あられ
「どうゆう事って、あの通りだよ。突然だけど昨日、人事総務部長と話し合って決まった事だ。」
そう冷静に言ったのは、師道社長の声だ。
もしかして、昨日師道社長の帰りが遅かったのって、あの人事辞令のことがあったからだったの?
「部長職から社長秘書だなんて、有り得ません!」
「高坂さん。そうは言うけど、君、、、部下たちから酷評なのは気付いているかい?」
「えっ?」
「先月行なった社員たちの面談で、君が率いる第二課の社員たちは、みんな口を揃えて言っていたみたいだよ?"高坂部長が仕事をしないんです"って。」
師道社長がそう言うと、誠太は黙り込んだ。
確かに誠太は仕事をサボりがちで、すぐ部下に仕事を押し付けるくせがあるのは耳にしたことがあった。
「部下たちに仕事を押し付けて、高坂さんは随分と楽をしていたみたいだね。業績が良い時は自分の手柄、悪ければ部下のせいにしていたみたいじゃないか。これは、人事総務部長が行なった面談で君の部下たちが言っていた事らしいけど、、、どうなの?何か言い訳はあるかい?」
「、、、それは、、そのぉ、、、、。」
「言い訳が言えないってことは、事実みたいだね。第二課の社員たちは、とりあえず一時的に第一課の雪宮部長にお願いしようと思ってる。彼女なら、安心して任せられるからね。」
まさか、こんな展開になるなんて、、、
わたしはヒールの音が立たないように細心の注意を払いながら、再びエレベーターに乗って、自分のフロアへと戻った。
そのあと、人事総務部長の神取部長が来て、第二課の社員たちを一時的に任せたいとお願いされた。
わたしは「分かりました。」と返事をし、しばらくの間、今まで誠太の下で業務をしていた社員たちのことも任せられることになった。