愛は花あられ
その日から辞令通り、井神さんは一階の受付へ。
誠太は社長秘書として勤務する為に社長室へと移動して行った。
突然の辞令に社員たちは驚いていたが、「井神さん、師道社長に色目使い過ぎだったから、受付に行かされたんじゃない?」「高坂部長に社長秘書なんて務まるのかな?」「上司が高坂部長から雪宮部長に変わるなんて最高!」など、様々な声が聞こえてきた。
でも、わたしはいつも通りの業務を行うだけ。
わたしは一時的にだが、新しく加わった部下たちの事を知る為に一人ずつ面談を行い、人柄や仕事状況、悩みなどの聞き取りをした。
そして、面談だけでも時間を取り、あっと言う間に定時になってしまったわたしは、とりあえず急ぎの仕事は無かった為、帰り支度をすると、師道社長が迎えに来てくれた。
「妃都、お疲れ。」
「あ、師道社長。お疲れ様です。」
「突然の辞令で妃都には負担をかけてしまう事になって、悪かったね。」
「いえ。みんなそれぞれ自分たちで仕事を処理出来る人たちばかりなので、大丈夫ですよ。」
「ありがとう。その内、第二課には新しい部長を任命するつもりだから、それまでよろしく頼むよ。」
「はい。」
それからわたしたちは会社を出て、いつも通り香川さんの運転で帰宅をした。
すると、帰宅した途端、師道社長は「約束通り、俺の周りには女性は居なくなったよ?」と言った。
そうだ、、、そういえば、わたしの信用を得る為に社長秘書を男性にするって言ってたんだっけ。
その秘書が、まさか誠太になるなんて思いもしなかったけど、、、