愛は花あられ

「え、知りたいです!」

わたしがそう言うと、担当医の三上先生はエコーが映る画面をわたしの方に向け、説明してくれた。

「ここがお股なんだけど、木の葉の形になってるの分かる?」
「あぁ、、、何となく。」
「男の子にあるものが見えないし、ほぼ女の子で確定かな。まぁ、生まれてみたら男の子だったって事も無くはないんだけど、この感じだと女の子だと思うよ。」

三上先生の言葉に、わたしは喜んでいいのか分からなかった。

正直、わたしは健康で無事に生まれてきてくれれば性別はどちらでも良いと思っていた。

でも、心のどこかで"後継ぎ"の事がプレッシャーになっていて、男の子の方だったら、、、という気持ちが全くなかったと言えば嘘になる。

涼真さんは後継ぎの事は気にしなくていいと言ってくれたけど、、、
あの師道ホールディングスの後継ぎがいないのは、ヤバいのではないかと思ってしまう。

わたしは後継ぎが産めない女、、、

勝手に自分を追い詰めて、嬉しいはずなのに何だか悲しい気持ちになっていた。

そして、その夜。
涼真さんに性別がほぼ女の子で確定だという事を報告した。

「女の子かぁ!それなら尚更、妃都に似て欲しいなぁ!絶対美人になる!」

そう喜ぶ涼真さんの横で、わたしは「ごめんなさい、、、」と呟いた。

「え?何で謝るの?」
「だって、、、男の子じゃなかったから、、、後継ぎが、、、」
「妃都、後継ぎのことは気にしなくていいって言ったじゃないか。」
「でも、、、」

わたしがそう言い涙を流すと、涼真さんはわたしを抱き締め「プレッシャーに感じていたんだね。気付かなくてごめん、、、」とわたしの頭を撫でてくれた。

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