歪んだ月が愛しくて2
「でも今回は赤点だけじゃなくて罰ゲームもあるからな。忘れんなよ」
「ああ、頭痛くなって来た。明日は風邪かも」
「多分気のせいだと思うよ」
「アオー!それは言わないでー!」
そう言えば罰ゲームのことすっかり忘れてた。
どんな罰ゲームか知らないけど赤点よりもそっちの方が嫌だな。
「おい」
不意に横から声を掛けられた。
カップに口を付けたまま視線だけを横に外すと、そこにいたのは大して面白みもない顔をする頼稀だった。
「大丈夫か?」
「多分。自信はないけど頼稀とみっちゃんに教えてもらったからには赤点だけは回避するよ」
「そっちじゃねぇよ…」
「そっち?」
「……まあ、テスト頑張るのは当たり前だけどな」
「俺が教えたから?」
「当然だ」
「その言い方。何か会長みたい」
「俺はあそこまで性格悪くないぞ」
「そこはノーコメントで」
「おい」
「あ、2人で内緒話してる!」
「本当だ」
「頼稀!抜駆け禁止!」
「だから勘違いすんなって言ってんだろうが」
「もう油断も隙もないな。リカも頼稀に変なことされたらちゃんと逃げるんだよ!俺にも報告だよ!」
「うん、兎に角落ち着こうか」
後ろのみっちゃんの顔がヤバいから。
「俺は落ち着いてるよ!頼稀が抜け駆けするから…「喧しいっ!」
未空の頭の上からゴンッと鈍い音が鳴る。
あーあ、だから言わんこっちゃない。
「いでぇー!今日イチの来たぁあああ!みっちゃん暴力反対だよ!」
「無駄口叩いてないで勉強しろ!口を動かさないで脳味噌だけ動かせ!今日は寝かせないからな!」
「うっそー!無理無理!俺寝ないと死んじゃうよ!」
「だったら死ね!どの道お前の命はテストの順位が出るまでだけどな!」
「イヤー!リカ助けてー!」
「………ごめん(合掌)」
俺にはみっちゃんを止められない。
「そんなぁ〜!」
「ご愁傷様」
「ま、頑張れよ」
「じゃあ今日はこれで解散しよっか。後は個人学習と言うことで」
「賛成」
「皆まで!?この裏切者ぉおおおお!!」