歪んだ月が愛しくて2



キョロキョロと辺りを見渡す、頼稀。
まるで何かを探しているかのようなその姿に俺は不思議に思い疑問を投げ掛けた。



「どうしたの?」

「……いや、お前1人だったのか?」



ギクッと、肩が跳ねる。



「……何で?」



まさか見られてたのか。
若しくは盗聴器とか……いやいや、それは流石に怖過ぎる。
いくら頼稀でもそこまではしないと思いたいが、よく考えたら頼稀には前科がある。アゲハに命令されたら何でもやりそうだからな。



「質問を質問で返すな。声が聞こえたからに決まってんだろう」

「別に、1人だったよ」

「………」



何で瑞樹のことを隠したんだろう。
自分でもよく分からないが、何となく頼稀には瑞樹のことを話しちゃいけない気がした。



「そうか」



何でかな。

頼稀が過保護過ぎるからか?



「もう気が済んだでしょう。皆も心配してるから早く戻ろう」

「え、皆も?」

「うん。でも皆にはグラウンドで待っててもらってるよ。頼稀が大事にするなって言うからさ。俺的には皆で捜した方が早いって言ったんだけど」

「頼稀が…」

「ほら、早く行こうよ」

「うん」



未空の後に続いて裏庭を抜ける。
すると頼稀は俺に歩調を合わせて自然な形で俺の横に並んた。
俺は未空に聞こえないように小さな声で頼稀に話し掛けた。



「……本当は、俺がいないこと気付いてたんじゃねぇの?」

「どうしてそう思う?」

「さっきの未空の話。俺がいなくなったことを大事にするなってことは、俺の居場所に見当が付いてたってことだろう」

「正解」

「てことは、見てたの?」

「ああ。お前があの子猫を気にしていた理由も分かってたからその時は見なかったことにしてやったんだよ」

「だったら捜しに来なくても良かったのに」

「そのつもりだったんだが、思いの外お前の帰りが遅かったから、また変なことに巻き込まれたんじゃねぇかと思って様子を見に行ったんだよ」

「またって何だよ。失礼な」

「前科者が何言ってやがる」



そんな頼稀の発言にムッとした。
すると俺の前を歩いていた未空が突然振り返った。



え、何?


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