歪んだ月が愛しくて2



「ちょっとそこ!2人して何こそこそ話してるのさ!」

「えっ」

「聞かれちゃ不味い話はしてねぇよ」



嘘吐け。



「じゃあ何話してたの?俺にも教えてよ」

「教えてって…」

「さっきの猫のことを話してただけだ」

「猫?」

「そ、そう!猫の話!」

「………怪しい」

「怪しくない、怪しくないっ」

「考え過ぎだ」



流石は未空さん。
鈍いのか鋭いのか分からないな。



「にしても腹減ったな」

「あ、話逸らした!」

「いや、マジで」

「走ったか……ぐるぐるぐる〜」










………。










「……やっぱ、俺も腹減ったかも」

「だろう」

「早く帰ってご飯食べよう」

「うち来るか?」

「………うん」



クッソ恥ずかしい。

穴があったら入りたい。



「あ、狡い!俺ものんちゃんのご飯食べたい!」

「そう言えば希は?さっきもグラウンドにいなかったけど」

「部屋で寝てる」

「え、何で?体調悪いの?」

「そんなところだ」

「……大丈夫?」

「ああ、暫くすれば元に戻る」

「それならいいけど…」

「じゃあのんちゃんのお見舞いも兼ねてご飯ごちになりまーす」

「お前は晩飯目当てだろうが」

「そんなことないよ。のんちゃんのお見舞いが最優先です」

「嘘臭ぇ」



聖学に入学して2ヶ月が過ぎた。
これまでにも希が体調不良で部屋に篭もることは何回かあったが、こうも定期的に調子が悪くなるってことは何かの病気なのかもしれない。
でも本人には聞けないし、頼稀に聞くのも何か違う気がするし、どうしていいのか分からないまま俺は皆の元に戻ってそのまま練習はお開きになった。


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