歪んだ月が愛しくて2
立夏Side
「まどろっこしい真似すんなよ」
「何が?」
「恍けんな。態と覇王を刺激しやがって」
俺はこれ以上の衝突を避けるために生徒会室を出て大人しく頼稀の後について行くことにした。
行き先が管理人室と言うことは俺の呼び出したのは間違いなくアゲハだ。
いくらアゲハと覇王を合わせたくないからと言ってあんな真似をしたら逆効果だと思うのは俺だけだろうか。いや、後で絶対何か言われるよ。よりによって大魔王様を挑発するなんて心臓に毛が生えてるとしか思えない。
「ふはっ、アイツ等マジで傑作。お前のことになると過保護って言うかお節介って言うか、……気持ち悪いんだよ」
過保護とお節介代表の頼稀が言っても説得力ないけどね。
「だからって引っ掻き回すなよ。面白がりやがって」
「悪かったな」
「……顔、笑ってるけど?」
「元からだ」
どんな顔だよ。
「で、用件は何?」
「それはアゲハさんの口から直接話す。そのためにお前を連れ出したんだからな」
「……何?そう言う話?」
「ああ」
「はぁ…」
気が重い。
「何溜息吐いてんだよ。他人事じゃねぇんだぞ」
「……分かってるよ」
だから余計に気が重いのだ。
アゲハの話が何なのか知らないが大凡の検討は付いている。
巻き込みたくない。振り回したくない。
そう思っているのは間違いないのにやっていることは正反対だった。
そんな矛盾した自分の言動に反吐が出る。
そんなことを考えていると気付けば管理人室の前まで来ていた。
先頭に立つ頼稀がドアノブを回してその後に続いて室内に足を踏み入れると。