歪んだ月が愛しくて2
「改めて紹介しよう。“B2”親衛部隊隊長補佐の汐と、同じく副隊長補佐の遊馬だよ」
「名乗るのが遅くなってごめんね。総長が説明した通り俺達も“B2”のメンバーなんだ」
「今まで黙っててごめんな!」
「……マジ?」
「大マジだ」
やっぱり俺は暴走族ホイホイなのかもしれない。
まさかとは思ったがこれは予想外の展開になった。
汐と遊馬が“B2”のメンバーなんて聞いてない。初耳だ。
聖学にいる“B2”はアゲハと頼稀だけだと思っていたから2人の登場に……いや、存在に驚きを隠せなかった。
でも今まで何も言わなかったくせに何で今になって打ち明けたのか…。
そもそも今まで隠していた意味が分からない。話す機会はいつでもあったはずなのに。
……待て。ちょっと待てよ。
アゲハと頼稀が俺の過去を知ってるってことは、もしかして同じ“B2”の汐と遊馬も…。
「勿論、お前のことも話したぞ」
「はぁ!?」
「声でけぇよ」
「な、何で…」
「僕が話したのさ。2人にはこれから君の護衛に付いてもらうために君のことを少しでも知ってもらった方がいいと思ってね」
「護衛?」
「その話をするためにお前をここに呼んだんだ」
「……どう言うこと?」
「順を追って説明しよう。その前に一息つこうじゃないか。話はそれからだよ」
「………」
その言葉に従って渋々ソファーに戻ると、遊馬は「どうぞ」と言って机の端にコーヒーカップを置いて促した。
「あ、りがと…」
既にソファーに座っていた俺とアゲハに続き他の3人も順にソファーに座って飲み物に手を伸ばした。
でも俺の心はこれから起こることを予期して何だか落ち着かなかった。