歪んだ月が愛しくて2



それから3日後。
今日はテスト結果が張り出される日だ。



「おはようリカ!」

「……おはよ」

「リカ、寝癖付いてるよ」

「え、嘘っ?」

「本当。可愛いからいいけど」



何がいいのか分からない。

てかほっぺツンツンするだけで直してくれないのかよ。



「全くだらしないな。もう少し早く起きられないのか?」

「善処します」



俺はいつも通り未空に迎えに来てもらって部屋を出た。
最近ではみっちゃんとも仲良くなれたから3人で食堂に行くのが日課となった。
頼稀と希と葵は基本自炊だからそれぞれ朝食を食べてから食堂で落ち合って教室に向かっていた。



「いよいよ今日だね」

「何かドキドキするな」

「俺は違う意味でドキドキするけどね…」

「俺も。何か胃がキリキリする」

「あんなに朝ご飯食べたのに?」

「それとこれとは話が別!」

「寧ろそのせいじゃね?」

「口に米粒付いてんぞ」

「嘘っ!?」

「……未空って案外図太いよね」

「あれが神経質に見るわけ?」



北棟に着くと既に1階の下駄箱前に各クラスの成績が貼り出されていた。
靴を履き替えてから近くまで行くとそこには汐と遊馬の姿があった。



「あ、汐アス!」



未空の声に2人が一斉に振り向く。



「おっはよ!」

「はよ」

「おはよう。いつも思うけど汐と一緒にするのはやめてくれない?」

「いいじゃん。2人はいつもセットなんだから」

「汐とセットにされるのは耐えられないよ」

「何で?いつも一緒にいるのに」

「だってあれだよ」



不意に遊馬が指を差す。

その視線の先にいたのは…。



「藤岡くんおはよう!」

「おはよ」

「今日もかっ、かかかわ…(可愛いっ!!)」

「?」

「……あれと一緒は無理」

「汐くんって立夏くんの前だと犬みたいだよね、良い意味で」

「確かに」

「汐!また俺のリカにちょっかい出したな!リカから離れろっ!」

「お前のでもねぇだろう」

「2人はテスト結果もう見たの?」

「まだだよ。汐がウジウジしてここから動こうとしなくて…、だから藤岡くん達のこと待ってたんだ」

「あ、そうだったんだ」

「ばっ、遊馬!藤岡くんに余計なこと言うなよ!」

「本当のことだろう」

「情けない。今更どうこう言ったところで結果は変わらないって言うのに」

「いい加減腹括れよ」

「頼稀くんまで!俺だって心の準備があるんだよ!」

「そう言ってもう10分以上経ってるんだけど」

「ゔっ…」



どうやら汐も緊張しているらしい。
これは未空と違って結構マジな奴かも…。



「じゃあ皆で見に行こう」



俺は汐の緊張を和らげるために手を差し出すと、少しの沈黙の後何故か汐の顔がボンッと噴火した。



「ふ、藤岡くんが俺にて、て、てて手を…っ!?」

「汐キモイ」

「リカ!汐と手繋いじゃダメ!だったら俺と繋いでよ!」

「邪魔すんな未空!藤岡くんは俺と手繋ぐんだよ!」

「それはこっちの台詞だよ!リカは俺のなの!俺以外の奴と手繋いだらダメだからね!」

「だからお前等のじゃねぇだろうが、このポンコツコンビ」


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