歪んだ月が愛しくて2
「あ、理事長にもだっけ」
折角忘れてたのによくも嫌なことを思い出させてくれたな。
余計なことを言うなと言う意味を込めて下から睨み付ければ何を勘違いしたのか陽嗣先輩は口元を歪めて「いいね、その顔」と俺の耳に舌を這わせて満足げに微笑んだ。
「な、にして…っ」
「ん?耳舐めただけだよ」
「……だけじゃないですよ。何してくれるんですか?」
「だってりっちゃんの耳が超美味そう見えたか……いだっ!!」
「何が美味そうだこの変態エロガッパ。ところ構わず手出してんじゃねぇよ死ね」
そう言って会長は陽嗣先輩の背中に蹴りを一発入れ俺の腕を掴んで強引に引き寄せた。
追い討ちを掛けるように頼稀の暴言が更に陽嗣先輩を襲う。
「一々立夏に絡まないでもらえます?そう言うところが面倒臭いって言ってんですよ。いい加減に自覚したらどうですか。バカですか?バカなんですか?ああ、バカだったな」
「……うん、もうバカでいいからそれ以上はやめて。お兄さんマジで悲しくなって来た」
陽嗣先輩は会長と頼稀の精神攻撃に白旗を上げる。
そんな陽嗣先輩から解放されたはずの俺は何故か今度は会長の腕の中に閉じ込められていた。何故?
「フラフラしてんじゃねぇよ」
「っ、」
会長によって背後から抱き締められているせいで会長の低い声が耳にダイレクトに直撃する。
陽嗣先輩に耳を舐められた時も変な感じがしたが会長のエロボイスも相当ヤバい。
「ち、近い!離れろよ!」
「煩ぇ。話はまだ終わってねぇんだよ。大人しく俺に抱かれてろ」
「なっ!?」
な、何言っちゃってんのこの人!?
そう言うこっ恥ずかしい台詞を気軽に口に出すんじゃねぇよバカ!!
陽嗣先輩もバカだけど会長もバカなのか!?
「ちょっとちょっと九澄さん聞いた〜?王様の独占欲丸出しの台詞」
「ええ、この耳でバッチリ」
「……だから立夏にちょっかい出すなって言ってんだよ」
「流石は覇王様。やることが派手だね」
「少しくらいTPOを考えて欲しいけどね」
「いくらみーこでも俺のリカを口説くのは許さねぇからな!」
「「(ガーン…)」」