歪んだ月が愛しくて2
「……ふはっ、あはははっ!」
「ゆ、結城さん…?」
「いやぁ、ごめんごめん。まさかそう来るとは思わなかったからさ。こりゃ頼稀達が骨抜きになるのも納得だわ」
「一つ訂正させてもらいますけど、骨抜きにされてるのは俺以外の連中ですから。特にアゲハさんと姫と汐」
「そうか?お前だって十分丸くなったと思うけどな」
「……気のせいですよ」
フイッと、頼稀は結城さんから顔を背けた。
頼稀がこう言う無防備な部分を見せるってことは頼稀にとって結城さんは信用に足りる人ってことか。
「君も笑っちゃってごめんね。決してバカにしてるとかそう言うのじゃないからね」
結城さんは顔の前で両手を合わせながら苦笑する。
「……別に」
「そんな拗ねないでよ。折角の美人が台無しだよ」
「拗ねてませんよ。それに美人でもないですし」
「またまた、そんな謙遜しちゃって〜」
してねぇよ。
相変わらず俺の周りは目悪い奴等ばっかだな。
「でも君を心配してるのは“B2”だけじゃないよ。俺も君のことが心配でついつい首突っ込んじゃうんだよね」
「心配?」
結城さんが、俺を?
「……何で?」
「俺にも君くらいの子供がいるんだ。訳あって今は一緒に暮らせないんだけど、だから余計に普段何やってるか心配でさ…」
「え、子共?結城さんって歳いくつなんですか?」
「ふっふふっ、それは秘密さ。ジジイ扱いしないでね」
「まあ、見た目以上なのは確かだな。ジジイかどうかはお前の想像次第だけど」
「だからジジイ扱いすんなって」
「してませんよ。ただ17の子供がいるようには見えないって話ですよ」
「17っ!?」
え、俺よりも年上の子供?
結城さんってマジで何歳?
「あー……うん、子供は今17だから高2かな。君とは歳も近いし、だから余計に君を見てると他人事には思えないんだよね」
「……お父さんの顔ですね」
「実際お父さんだからね、こう見えても。何なら俺のことは“お父さん”って呼んでもいいよ」
「遠慮しときます」
「そりゃ残念」
全然残念そうな顔してないんだが。