歪んだ月が愛しくて2
「立夏っ!!」
「んー…」
今度は頼稀の呼び掛けに反応出来た。
でも必死で俺の名前を呼ぶ頼稀を視界に入れることなく、俺は目の前の獲物から目が離せなった。
「何熱くなってんだ!お前らしくねぇぞ!」
は?
「俺らしくない…?」
フッと、乾いた笑みが零れる。
「俺らしいって、何?」
「り、」
「お前に、俺の何が分かるんだよ」
ボキッとか、グチャッとか。
態と不快な音を立てて敵を沈めていく。
「り、か…」
不愉快な悲鳴と命乞いが、やけに耳に付く。
まるで頼稀の言葉を掻き消すかように。
「……分かるはずない」
だって、自分でも分からないんだ。
俺らしいって、何?
俺って、何?
なあ、教えてくれよ。
誰でもいい。
誰でもいいから、俺に教えてよ。
「おい!まだ応援は来ねぇのかよ!?」
「ちゃんと連絡したのか!?」
「うっせー!したに決まってんだろうっ!」
ブオォォ…と、遠くの方で複数のエンジン音が聞こえる。
ああ、やっとか。
やっと…。
狭い裏路地に次々と下品な単車が入って来た。
「オラ!来てやったぞ!」
「どいつだ!“B2”の生意気な2人組ってのはよ!」
増援の数は20程度。
「チッ、少ねぇよ…」
しかも増援の中に奴の姿は確認出来なかった。
「やっと来たか!」
「これで形勢逆転だな!」
「どうだ!流石にこの数には勝てな…、」
途端、敵は言葉を噤んだ。
―――いや、